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2008年10月03日

「不動産・ゼネコン マンション大激震!」週刊東洋経済2008年10月4日号

今週月曜に発売された週刊東洋経済は、全体の半分以上を不動産特集が占めていた。マンションに関する内容はそう多くないものの、港区を含む都心でのマンションについての記述もある。

まず、特集記事よりも前の「市場観測」のコーナーに、「都心の一部は40%下落も マンション値下げも進む」という記事があり目をひく。タイトルを見ると、まるで都心のマンションの一部が40%下落するかのようだが、中身を見ると40%下落するのは一部の都心オフィス用地のことで、マンション値下げが進むというのは都心以外の話。「東京都心部のマンションは話が別だ。価格が高くても、立地がよければ売れ行きは衰えていない。結局、よい物件は案外価格が下がらないのだ」と結ばれている。

その後、38ページから124ページまでが不動産特集記事で、デベロッパー、ゼネコンと不動産ファンドおよびその周辺についての内容が多い。港区のマンションについては次のように書かれている。

むろん、すべての物件が売れていないわけではなく、「ステーションスイート新川崎」「パークコート赤坂ザ・タワー」など即日完売する物件も少なくない。

都心・都内近郊・郊外という三つのエリアで、今後のマンション価格はどうなるか。
都心部に関しては、ニーズも強いため、大幅な土地価格の下落は見られないと思われる。今後予想されるのはせいぜい20%前後の低下だが、土地の比率が高く、建物比率が低いために建築費が15%程度上昇しても、分譲単価に関しては、7〜8%ダウンにとどまる。



今もしマンションの価値を算定するとしたら、それは、有価証券市場で使われている収益還元法しかない。
(中略)東京都内であれば、比較的容易に収益還元法で見積もることができる。たとえば、赤坂・麻布・青山の最高レベル地区の賃料水準(外国人賃貸を除く)は1坪あたり月1万5000〜1万8000円になっているので、(中略)坪単価では270万〜324万円になる。一方、これらの地区での分譲マンションの実勢価格はこの1.5〜2倍に達している。

それぞれ違うページに書いてある内容で、書いているのも別の人ということもあり、色々なことが書いてある。パークコート赤坂ザ・タワーが即日完売とは知らなかった。ただ、パークコート赤坂ザ・タワーが分譲されたのは今年1月のはず。サブプライムが顕在化していたとはいえ、今日の金融恐慌前夜のような雰囲気は全くなかった。シティタワー品川のような格安物件を除けば、即日完売する物件はなかなか出ないのではないか。

売れないとなると値下げするだろう、と期待したいところだが、マンションの原価から考えるとそう大きくは値下がりしない、ということになるようだ。ただここに来て原油価格も一時期よりは下がっているし、鋼材価格や輸送費が下がっているというような記事も目にするように思う。建築費がこの先下落すれば、分譲価格もより大きく下げられるはず。と期待したい。

収益還元法での価格算出は、マンションには適さないのではないか。結局、その価格で買いたいと思う人がいれば売れるわけで、いくらで買われるかには原価は全然関係ないし、賃貸に出すことをまったく考えない人にとっては、収益還元法も関係ない。ただ、今後個人の購入者も収益性をより重視するようになってくると、価格設定も収益還元法での適正価格に近づくのかもしれない。

その収益還元法のところで言及されている賃料水準だが、いくつかの高級賃貸マンションについて、坪当たり月額賃料が載っている。パシフィックタワー乃木坂が17,850円、レアール南青山が19,800円、NCR南青山が19,210円、パークアクシス溜池山王が17,810円など。やはり南青山あたりは高い。赤坂あたりも青山に次いで高くなっている。

ところが、特集の最後に載っている「首都圏新築マンション下落率ランキング」では、赤坂が下落率22.7%で11位に入っている。2008年の新築分譲価格と2007年の新築分譲価格を駅別に比べたランキングなので、赤坂タワーレジデンスの影響だろう。ちなみに1位は品川で、これは明らかにシティタワー品川が出たことによるもの。下落率は64.8%となっており、シティタワー品川の激安ぶりが分かる。

赤坂タワーレジデンスは既存マンションの建て替え、シティタワー品川は東京都所有地を定期借地権で利用するマンション。どちらも特殊なケースなので、赤坂や品川の全域でマンション価格が下落しているとはまったく言えない。6〜7年前の水準に戻ることを祈るばかり。

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posted by さるうさぎ at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌記事・その他 |edit
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