広尾ガーデンフォレストは土地が50年間の定期借地権であるにもかかわらず、坪単価500万円前後と高額で、こんなの売れるの?と思っていたけれど、完売したとか別格だとか、去年の時点ではそんな評判を良く目にした。それがキャンセル住戸を今から7戸も販売するということは、広尾ガーデンフォレストといえども不動産不況と無縁ではなかった、ということだろう。
何しろ、本当に人気のあるマンションなら、仮にキャンセルが出ても、抽選で二番目以降だった人や、他にキャンセル住戸を希望している人に話がいって、表面化することなく処理されているはず。単に資料請求を一度しただけの世帯にもDMを送るということは、見込み顧客が全然足りない、ということではないか。
7戸の内訳は、70u台が1戸、80u台が3戸、90u台が1戸、100u台が2戸。70u台は、74.23u(C70-C Type, C406号室)が1億750万円、100u台は108.03u(A110-D Type, A1601号室)が1億9,800万円、113.84u(A110-H Type, A707号室)が1億7,710万円。平米単価で145〜183万円、坪単価で479万円〜606万円となっていて、元々の分譲価格と変わっていないように思われる。
ただし、これらのキャンセル住戸が買主の都合によるキャンセルであるのなら、売主側は手付金を回収しているはず。通常手付金は物件価格の2割だから、どの住戸も2割引き程度の交渉はできるのではないか。
もっとも、2割引きになったところで、それでも定期借地権マンションとしては破格に高い。定期借地権の期間も法定下限の50年。今夏売り出されたシティタワー品川は70年間の定期借地権で、平米単価30〜40万円、坪単価120万円という価格設定だった。港区港南と広尾では立地がまるで違うものの、定期借地権マンションの価格は本来この程度のものだろう。そのシティタワー品川よりも20年も短い定期借地権でありながら、坪単価は4倍〜5倍もするのだから、広尾ガーデンフォレストは本当に高い。
他にも、広尾ガーデンフォレストについては気になることがある。まず、毎月の費用。
通常のマンションならば、管理費と修繕積立金がかかるだけだが、ここでは全体の管理費、修繕積立金の他に、棟ごとの管理費と修繕積立金も発生する。さらに、定期借地権なので、地代(今回の7戸だと月額7,900円〜12,100円)、解体準備積立金も(同月額1,400〜2,200円)かかる。全部あわせると、49,900円〜76,580円で、通常のマンションより高い。
敷地は広尾日赤医療センターの土地だったわけで、薬品などによる土壌汚染がないのかも気になる。
また、将来万一売ることになったらいくらで売れるのかも気になる。借地権の残存期間に応じた価格で売れればいいが、景気が本当に悪くなったらもっと安くしないと売れないかもしれない。ただ、転貸が可能(地主への通知のみで可)なので、賃料相場が下落しない限り、ある程度の価格での転売は可能かもしれない。
広尾ガーデンフォレストの完成は来年2月下旬で、入居は3月と書いてある。もしかしたら、今回の「キャンセル住戸」というのは単に売れ残りで、ぎりぎりまで販売を後にずらしただけなのでは、とも思ってしまう。キャンセル住戸ということにすれば、完売だったんだけど運悪くキャンセル出ちゃいました、売れ残ったわけじゃないですよ、と言えるし、もし値引きをするとしたら、手付金の分値引きしてます、と説明しやすい。
何にせよ、港区外だし、検討対象外だけれど、昨年の注目物件である広尾ガーデンフォレストが大々的にキャンセル住戸の販売を案内しているのは驚きだった。
2009.02.09追記:これとは別に、さらにキャンセル住戸が出たもよう。
詳細は「広尾ガーデンフォレスト、またしてもキャンセル住戸販売?」参照
タグ:新築マンション
価格や売り出し戸数は、前回のDMから変わっていない。
登録期間は1月29日(木)〜2月1日(日)で、抽選は2月2日(月)午前11時〜。