先週末は不動産の新聞折り込みチラシも激減していた。
この4月からのマンション相場はどうなるのだろうか。
週刊ダイヤモンドは早速昨日「マンション底値買い完全ガイド 」と題した増刊号を発売。
といっても、内容はほぼ1ヶ月前に発売された2009年3月7日号と同じ。
増刊号として刷り直すのは、よほど反響が大きかったからか。
消費者の購入意欲が冷え切っていないこと、同時に今のマンション価格は高すぎると思っていることを現しているように思う。
いったいどこまで下がるのか、考えても答えは出ないと知りつつ、非常に気になるところ。
バブル崩壊時はどうだったのかと図書館で昔の雑誌記事を調べてみたら、週刊朝日の2003年8月1日号に「検証 首都圏マンション『魔の94年』物件の下落率」なる記事があった。
全国で20万戸を超えた供給戸数、空前の買いムード・・・。あれからほぼ10年、「底値」で買ったはずのマンションの資産価値を検証した。
という出だしの記事は、今の相場感覚からするとかなり衝撃的な内容。
まずそもそもなぜ「魔の94年」物件なのかというと、90年をピークに91年、92年と不動産価格が下がり、そこに大量のマンション供給と住宅ローン低金利が重なり、少し無理をすれば首都圏のマンションが買える、よし買おう、という雰囲気だったようだ。
まだその当時は山手線内側で買いやすい物件はそれほどなかったが、神奈川・千葉・埼玉ではマンションが大量供給され、それらは当時「底値」と言われたにも関わらず、その後も下がり続けた。
だから「魔の94年」物件。
新築マンションの平均専有面積、平均価格を94年と02年で比べると、94年が65.29u、4,413万円であるのに対し、02年は74.43u、3,873万円。
02年の方が10u近く広くなっているのに、価格は500万円強下がっている。
まあ、新築同士を比べても、立地条件もそれぞれ全然違うから、これだけで「魔の94年」というのは早計かもしれない。
が、94年に分譲されたマンションの中古相場はかなり悲惨なことになっていて、たった8年で坪単価が約半分になってしまったケースもあるらしい。
記事では、下落率の高い駅のワーストランキングも載っていたが、さすがに港区の駅は載っていなかった。
逆に、下落率が低いランキングも載っていた。
こちらは個別の物件についてのランキングで、駅別になってはいるものの、総戸数、階数などが書いてあるので、マンション名は分かるかもしれない。
そして、港区(の可能性がある)マンションがいくつか入っている。
順位 | 駅名 | 徒歩分 | 階数 | 総戸数 | 平均専有u | 新築時価格 | 中古価格 | 下落率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | 高輪台 | 3 | 10 | 18 | 52.16 | 4,995 | 4,268 | -14.54% |
6 | 白金台 | 5 | 5 | 19 | 61.24 | 7,442 | 5,846 | -21.45% |
10 | 三田 | 6 | 11 | 50 | 53.96 | 5,216 | 3,976 | -23.78% |
20 | 広尾 | 17 | 9 | 30 | 63.46 | 7,308 | 5,311 | -27.33% |
25 | 麻布十番 | 7 | 12 | 79 | 44.11 | 5,881 | 4,218 | -28.28% |
下落率の低いランキングというと、どれも分譲時より価格が上がっているのではと思ってしまうが、2位以下が軒並み下落していて驚かされる。
(ちなみに1位は恵比寿ガーデンテラス壱番館のようで、価格は94年よりも14.64%上昇とのこと。)
下落率も高輪台以外はどれも20%以上で、下落率が低いランキングとはとても思えない。
新築分譲時の価格が以上に高かったのかというと、麻布十番は若干高い気がするが、全体的に今の感覚ではそこまで高い価格でもない。
バブルがはじけて数年経ち、「今が買い時」という時期に出たマンションを買っても、それからさらに10年弱かけて不動産価格が下がり続けたということになる。
今も、この先数年で不動産市況も回復するとか一部で言われているけれど、実際には10年ぐらい先に底を打つこともあり得るのでは、と考えさせられた。