そんなところに新築でマンションが出るとは、全然知らなかった。
名前からは、高台にそびえる高級マンションを連想させる。
早速資料請求をしたらすぐに届いた。
麻布台パークハウスの総戸数は165戸と、そこそこの規模。
港区の分譲マンションは、最近だとタワーマンションか、50戸未満ぐらいの規模に二極化していたので、これぐらいの規模のマンションはかなり久しぶりではないかと思う。
ただし、広告にも書いてあったが、土地は定期借地権となっている。
最近は都心で定期借地権のマンションが本当に多い。
広尾ガーデンフォレストしかり、パークコート神宮前しかり。
シティタワー品川のような一部例外を除いて、いずれも借地権の期間は50年なので、50年後には取り壊しとなる。
個人的には50年後に何も残らないものを買って、しかも毎月地代を払うぐらいなら、賃貸の方が良いように思う。
建物完成は平成22年12月下旬、引き渡しが平成23年3月下旬の予定。
送られてきた資料には価格のことは一切書かれていないが、フジサンケイビジネスアイのWeb記事で、45〜325uが6,500万円〜8億4,000万円と報じられている。
引き渡しから1年半近く前から販売を開始すれば、この規模なら完売するのかも、などと思ったが、これはかなり、というか相当高い。
なにしろ、土地代が含まれずに8億4,000万円というのだから、半端ではない。
325uが8億4,000万円だとして、平米単価258万円、坪単価854万円。
バブル期が再来したかのようだ。
地代や解体準備金も別途必要なわけで、他の定借新築マンション同様けっこう苦戦するかもしれない。
ただマンションで325uというのは滅多にない広さなので、これはこれで人気が出るのかもしれない。
送られてきた麻布台パークハウスの資料には、小冊子と3種類の間取り図が入っていた。
小冊子は、9割ぐらいのページが立地のアピールにあてられている感じで、都心であること、高台であること、そして何より東京アメリカンクラブに隣接することが訴求されている。
東京アメリカンクラブの会員にとっては意味のある立地かもしれないが、会員以外にとっても意味があることなのか、よく分からない。
詳細な立地も、古地図上での場所が示されているだけで、現在の地図上でどこなのかが分からない。
調べてみると、ちょうどロシア大使館の真南で、ほぼ隣接している。
桜田通りや外苑東通りからは少し離れているので、静かな場所ではありそうだけれど、ロシア大使館周辺には時々街宣車がやってくるので、けっこう大変かもしれない。
外苑東通りを少し西に行った飯倉片町の交差点では、夕方になるとしょっちゅう警察が出動して、ランドクルーザーの上に設けられた見張り台のようなところから通行車両を監視しているほどだから、ちょっと物騒な印象でもある。
地下鉄の駅は、麻布十番が徒歩6分、赤羽橋が徒歩7分、神谷町が徒歩8分、六本木一丁目が徒歩11分とある。
まあ、麻布台パークハウスを買う層は地下鉄などほとんど使わないだろうから、最寄り駅からの距離はあまり関係なさそう。
周りにあまり何もないし、個人的にはあんまり良い場所だとは思わないけれど、真東には東京タワーが見えるようだし、富裕層には魅力的かもしれない。
間取り図は、60-A type(61.56u)、120-D-1 type(126.82u)、260-A-r type(265.25u)の3種類同封されている。
61.56uの間取りは南向きで角部屋ではない1LDKだが、間取りはかなり変わっていて、浴室、洗面室には寝室からウォークインクローゼットを通らないと行けないようになっていたり、トイレも一番隅の玄関隣に配置されていて、お風呂に入っていてトイレに行きたくなったら、ぐるっと回って反対側の隅まで行かなければいけない。
なんだかよく分からない間取りだが、浴室・洗面室はかなりゆったり作られているので、一人暮らし向けだろう。
126.82uの間取りも南向きで、2LDK。
東側にもはめ殺しの窓があるもよう。
収納が豊富で、洗面室、浴室はやはり非常にゆったりしているが、キッチンも8.7帖と広い。
1822サイズの浴室隣には0812サイズのシャワーブースもある。
これもやはり外国人向け仕様と思われる。
265.35uの間取りは3LDKだが、リビングとダイニングが独立していて、それぞれ30.5帖と17.4帖もあるため、ぱっと見ると4LDKに見える。
主寝室が22.3帖、収納も全部合わせたら20帖以上、ルーフバルコニーも41.84uあるなど、さすがに広い。
トイレは3つ、シャワーブースも2つある。
そのうち一つのトイレとシャワーブースは、やはり寝室からウォークインクローゼットを通らないと行けないようになっている。
シャワーを浴びた後の湿気がクローゼットの方に行ったりはしないのだろうか。
こういう間取りは普通のマンションではまず見ないので、なんだか違和感を感じる。
東京アメリカンクラブと一体となったようなマンションで、普通の日本人向けでは全くないと思う。
裕福な外国人が、日本での滞在先として購入していく、といった感じだろうか。
フジサンケイビジネスアイの記事でも、「クラブの会員向けに優先販売を始めたところ、対象の56戸のうち最高額の住戸が成約済みとなるなど、販売は好調という」とある。
本当に好調なのかあやしいところではあるけれど、クラブ会員がメインターゲットであるのは間違いない。
自分はここを買うことは絶対にないけれど、内装や設備がどんなものなのかは一度見てみたいところ。
麻布台パークハウス 所在地(中央赤の目印)
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御手洗いは、友人が来たときに、「トイレかして」と言われても、部屋の奥を見せなくてもいいところにないと困りますし。
気づいていない人はド素人。
昨年10月〜今年4月くらいで購入していない人は後悔すべし。
私は1億円ちょっとの不動産を購入済み。
株も同じで、底で買えず、まだ下がると永遠に待っている間に
どんどん高騰してきます。
確かに、来客の時には部屋を見せずにトイレに案内できた方がいいですね。
ただ、浴室と洗面室がなぜウォークインクローゼットのさらに奥なのか・・・。
もしバスタブにつかった後にトイレに行きたくなったら、ウォークインクローゼットを通って、寝室を通って、LDを通ってさらに玄関まで行かないといけないんですよ?
なんだかすごい間取りだなぁ〜と、ちょっとビックリして書いた次第ですが、それも考えようによっては、風呂から出て体をふいた後すぐに服を着れて良い、とも言えるかもしれませんね。
いずれにしても、麻布台パークハウスの余裕ある作りは、私にとって垂涎のマンションです。
所有権物件がいくらだから、定期借地はいくら、そんなロジックは成立しないはず。
50年後に解体するという事は、15年もすれば銀行が担保評価しないと言っているようなもの。現に今売り出されている都心部の築浅の中古定期借地マンションは、住宅ローンの取り扱いが非常に厳しくなっている。銀行が担保価値を評価しないという事は、購入対象が現金客という事になり、著しく価格が下落する。
購入後10年そこそこで、売却不能に陥るのは目に見えている。
都心の定期借地マンションは、それらの事を十分踏まえて購入を検討すべき。
中古定借マンションは、いわばマンションの50年なら50年分の利用権、賃料前払いの賃貸のようなもので、普通のマンションとはまったく違うと私も思います。
定期借地権の制度自体がまだ歴史が浅いのでまだ大きな問題になっていませんが、数十年後は社会問題になるのではとも思います。
購入者も十分理解した上で購入する必要がありますが、私は定借マンションを次々と売り出す大手分譲会社の姿勢に疑問を感じます。