麻布十番のタワーについては、あまり関心もないので、大々的な値下げをしていないかどうかだけざっと見ていたけれど、先週末改めてシティタワー麻布十番のチラシをじっくり見てみた。
チラシ表面には、「先着順受付中」と書いてある。
もう完成してだいぶ経っているわけだから、そりゃまあそうだろう。
それでいて、特に価格改定された様子はない。
立地がそこまで悪いわけではないし(個人的には良いとも思わないが)、人気がある(とされる)タワーマンションだし、販売済み住戸も多いから、大々的に値下げはやはりできないのだろう。
チラシ裏面を開き、物件概要に目を移す。
販売戸数・・・なんと70戸!
慌てて、いったいシティタワー麻布十番はいつ竣工したのか見てみると、建物完成済み:平成21年5月13日とある。
ということは、先週末で完成からちょうど9ヶ月。
総戸数を見ると、502戸とある。
完成から9ヶ月も経つのに、総戸数の約14%が売れ残っているということ。
さらには、首都圏の1月末の販売在庫は6,732戸(不動産経済研究所のマンション市場動向)ということだから、首都圏全体のマンション在庫の実に1%強がシティタワー麻布十番ということになる。
あの広尾ガーデンフォレストでさえ、完成してから9ヶ月後の昨年11月時点では、総戸数474戸に対し、売れ残っていたのは29戸。
50年の定期借地権で、しかもその割りに価格が高額なことがネックになっていると思われるが、それでも総戸数に対する比率でいえば、7%もない。
シティタワー麻布十番はその倍以上の比率で売れ残っている。
広尾ガーデンフォレストとは完成時期も3ヶ月ほどしか違わず、総戸数もほぼ同じ。
立地はもちろん違うが、敷地に対する権利が定期借地権か所有権か、建物が中層〜高層かタワーマンションか、という大きな違いがある。
他にも共用施設、内装、外装のグレードなど違いは色々あるし、シティタワー麻布十番のすぐ隣ではパークコート麻布十番ザ・タワーが分譲中という事情もあるが、それにしても定借マンションにタワーマンションが負けているというのは正直意外。
これは単に不動産不況、マンション不況というだけでなく、マンション購入に関する大きな変化を表しているのではないかとも思う。
一つには、雑誌や新聞で不動産の専門家が言っているように、立地にはそこまでこだわらず、安くて良いマンション(いわゆるユニクロマンション)を探すという消費者が増えてきたこと。
そしてやはりタワーマンション人気自体が低落している、あるいはそもそも幻想だったのでは、ということ。
供給の少ない段階では、(全体から見れば)少数のタワーマンションを好む消費者が殺到することで人気があるように見えただろうけれど、こうまでタワーマンションが増えてくると、少ない需要に対して供給過剰になる。
超高層マンションがもてはやされていたのは、結局マンション購入層全体ではなく、ごく一部に偏った見方だったのではないかと思う。
こうした変化があるとすれば、シティタワー麻布十番を売り切るには、超好景気になるのを辛抱強く待つか、潔く値下げして売り切るかしかない。
今後どうするのか、在庫は減っていくのか。
来週以降はチラシを興味深く見ることになりそうだ。
シティタワー麻布十番 所在地(青の目印)
大きな地図で見る
以前、ザ・ハウス南麻布の記事などにコメントさせていただいたTomoです。
シティタワー麻布十番、やはり苦戦しているみたいですね。
都心で立地は悪くないと思うのですが、アドレスは三田ですし、
細かく見ると川沿いだったり首都高沿いだったり、共用部もそれほど素晴らしいという感じでもないので、いまひとつウリに欠ける感が否めませんよね。
眺望をウリにはしているようですが、それならば湾岸エリアのタワーにもっと安かったり、共用部が立派な物件はありますからね。
ただ、ここまで売れ残っているとお買い得感は出てくるかもしれませんね。
実は最近、家族の住居で住友不動産のお世話になったのですが、シティタワー麻布十番だいぶ安く買えるのではないかという感触を受けました(笑)
ウリがないというのは本当、おっしゃる通りですね。
一番最初の印象としては、都心でタワー、東京タワーも見えるという良い印象を持つ人が多いかもしれませんが、実際に現地に行ったりすればそうでもないなという気になって、最初の期待が高いだけになおさらイマイチに感じるのかもしれません。
やはり高額な買い物ですから、やはり何か背中を押してくれるような部分がないと苦戦する、ということですかね。
だいぶ安く買えそうな感触があったとのこと、大変貴重な情報をありがとうございます。
上客以外にはそうそう値引きの話はしないでしょうが、状況次第では見てみたいなと思います。
(売主:NTT都市開発、竣工予定:今年7月、入居予定:今年9月)
天井高が2.7mもある物件で、物件Webによれば、
79u8460万円(2F)
83u9680万円(6F)
とのことです。かなり高級感がある物件のようですが、「天理教の教会がすぐ近くにある」という難点があるようです。
白金高輪周辺はあまり見ていなかったので、相場がよくわからず、安いのか高いのか正直よくわかりません。
管理人さんはこのエリアでマンションをお探しだと思いましたので書き込みさせていただきました。(すでにご存じかもしれませんが)
お知らせ頂き、ありがとうございます。
当ブログも記事が少し増えてきて、過去の記事が分かりづらくなっていますので、どうか気になさらないで下さい。
マンションについての情報をお寄せ頂くことは大変嬉しいことですので、今後も情報があればぜひお知らせ下さいね。
ウェリス高輪は、今の感覚では少し高いなと感じてしまいます。
白金高輪駅周辺だと、高台でも中古で安めの住戸が出てきているので、個人的には中古マンションの方が気になっています。
いつもブログ楽しく読んでいます。
シティータワー高輪が竣工後8ヶ月で70戸残っているとの
お話ですが、
元々住友不動産さんは、竣工時に完売(通常のデベロッパーはそれを目指す)していると、
「開発担当の値付けが安かったからだ」と社内評価が下がったり飛ばされたりする会社です。
竣工後1年で完売でちょうどよいという認識らしいです。
竣工後1年以上たつと、未入居でも「新築」という表現は使えなくなるからでしょうかね。
ただ、さすがにあと4ヶ月で70戸売るのはキビシイと思っているかもしれません。
竣工後1年くらいの時期が値引き時でしょうか??
竣工時に完売していると評価が下がるというのはすごいですね。
「竣工後1年で完売でちょうどよいという認識」であれば、今年の5月頃が値引き時ということになりそうですが、この3月末も時期としては近いですから、狙い目かもしれませんね。
規模が規模だけに、全戸売り切るのは相当大変でしょうね。
同じ住不のワールドシティタワーズは、総戸数2,000戸以上とはいえ、完成から3年近く経つ今も17戸売っているようですし・・・。
いつも楽しくかつ参考にさせていただいています。
いろいろな条件から、麻布十番に住みたいなあと思い、この住友の物件とお隣の三井の物件を比較検討しています。
ただ、正直、どちらもかなり割高だなというのが、
印象です。
2010年に入って、竣工後マンションを中心にさらに一段と値引きマンションが増えたような気がします。
三井の物件も竣工後まで様子を見れば
値引きがあるでしょうか?
(現時点では竣工前だから値引きというのはないでしょうし)
いろいろな都心物件をご覧になって、都心のマンション事情に明るいさるうさぎ様のご意見をうかがえれば、と思います。
(現在は港区在住でないので、チラシ、というニッチ広告は入ってきません)
麻布十番のタワーに関しては、私も割高だと思っています。
これだけ売れ残っているということは、多くの人がそう思っているということでもあると思います。
三井の新築マンションについて、チラシで大々的に値下げを宣言するということはまずないのではないかと思います。
港区およびその近辺の新築マンションで、値下げをチラシで告知したのは、私が知る限り有名どころでは東急不動産ぐらいで、三井不動産や三菱地所などについては見たことがありません。
ただ、実際に港区内で三井の現地モデルルームに行った時、初めて行ったその場で値下げを打診されたことはあります。
2つのマンションを同じ日に見て、片方(ほぼ完売し、ほんの数戸残っているだけ)では数%なら調整できますと言われ、もう片方(全体の2〜3割が売れ残り)ではもっと大幅に引かせて頂きます、と言われました。
どちらも竣工し、入居が始まっているマンションです。
大々的にはなくても、完成後もある程度売れ残るようなら、現場では値引きが行われるだろうと推測します。