マンション需要が回復しつつあることと、それに応じて供給も増えてきたことを書いたものだが、その中で都心3区(千代田、港、中央)の4月の新設住宅着工戸数は前年同月比で325%増、約4.3倍で2,065戸に達した、とある。
戸建てなど分譲マンション以外も含まれた数字だし、単月での数字なので、大型物件に引きずられる面もあるが、実際に供給サイドは強気のようで、記事には安田不動産が「都心3区のマンションは富裕層や単身者らの需要が手堅いとみて、同地区の数カ所でマンション建設に向けた準備作業を進めている」と書かれている。
実際、マンションのチラシを見ていても、ちょっと前まで港区でもコンパクトタイプのマンションばかりだったのが、今春以降ザ・ヒルトップタワー高輪台、THE ROPPONGI TOKYO CLUB RESIDENCEといった大型物件や、パークマンション三田日向坂のような高級感あるマンションが目立つ。
最近ではそれらのおおよその価格帯もチラシに記載されており、THE ROPPONGI TOKYO CLUB RESIDENCEは75u以上85u未満のタイプで1億800万円台〜1億3,900万円台、95u以上105u未満のタイプで1億4,400万円〜1億9,800万円、155u以上165u未満では3億2,500万円〜3億8,000万円。
パークコート赤坂ザタワーとほとんど同じ価格帯だが、立地の違いを考えるとTHE ROPPONGI TOKYO CLUB RESIDENCEは割高感がある。
パークマンション三田日向坂にいたっては、1階の110.90u住戸(北西角、専用庭無し)ですら1億8,000万円台、2階の148.58uは2億を軽く超える2億5,800万円台、最上階ペントハウス(5・6階のメゾネット)は199.58uで5億円台となっている。
こちらも、同規模のグランドメゾン白金台と比べればそう高くないが、マンション不況が終わったかのような価格。
日経の記事でも、首都圏の中古マンション価格は昨夏から上昇傾向にあると記載されているが、港区に関して言えば、(特に一部タワーマンションで)ゆるやかな値下がりが続いているように感じる。
地域の景況感としても、数ヶ月前に発売された港区スマイル商品券(10%分プレミアムのついた商品券)の発売所はどこも長蛇の列で、ほとんど即日完売したようだし(その1年近く前に発売された時は発売後数日経っても購入できた)、スーパーは特売日以外は閑散として特売日だけ激しく混雑するようになってきている気がするし、景気が良さそうには見えない。
今は低金利や住宅ローン減税があるからいいが、それらはいずれなくなる可能性がある。
より長期的には人口減少もほぼ確実で、値下がりも加速すると思うが・・・、金利はずいぶん前からそのうち上がると言われているが全然上がらないし、どうなることか・・・。