時間もあるので、何か本を読もうと思い、どこかで紹介されていた『マンションは間取りで選びなさい』を読んでみた。
特に港区のマンションについて勉強しようということではなく、一般的なマンションについての知識や、新しい気付きがあればと思って手にした本だったが、意外にも港区に関する記述もあった。
だが最も興味深かったのは、やはりその主題である「マンションは間取りで選べ」ということ。
使いやすい間取りであるに超したことはないし、住みにくそうな間取りは避けたいのは誰でも同じ。
だけど、著者は「間取りだけで選べ」と言わんばかりに、間取りを重視している。
なぜなら、一流のレストランが料理だけでなく内装やサービスも一流であるのと同様、一流のマンションは間取りも一流であることが多いから。
自分がマンションを検討するときに、そこまで真剣に間取りを見ていたかというと、そうではなかったので、この発想は新鮮だった。
また、間取り図を見る上でのポイント、どういう間取りが良くて、どういうのがダメか、といったことも色々書かれており、勉強になる。
読了後、中古マンションのチラシを見ると、以前にも増して間取り図に目が行くようになった。
そこで気がつくのは、チラシに載っているマンションの大半が、同書で「良くない」とされる間取りであること。
リビングがちゃんとした四角形でなく、三角形に近い形だったり、メゾネットタイプだったり、廊下面積が無駄に大きかったり。
特に、2000年代半ば前後に完成したタワーマンションは、ひどい間取りが多いように思う。
高輪ザ・レジデンスや白金タワーなど、これはちょっと・・・というような間取りが目立つ。
同書の著者に言わせれば、そういったマンションは外観を住み心地より優先させているなど、「作り手側の論理」で作られているということになる。
タワーマンション以外でも、なんだか間取りがイマイチだなあ、というマンションがチラシで目につくが、やはり間取りが優れたマンションは所有者もなかなか手放さなかったり、出たとしてもすぐ売れてしまうのかもしれない。
港区の新築マンションに目を転じても、例えば麻布台パークハウスは外壁から窪んだ形状のバルコニー(採光が良くないので著者はおすすめしないとのこと)、廊下面積が大きい、126uでも主寝室と子供部屋が壁1枚で隣り合っているなど、あまりぱっとしない。
パークマンション三田日向坂も、リビングの壁面が湾曲しているものや、それ以外もなんだかちょっとなあ、という間取りが散見される。
こうしてみると、本当にいいなあ、という間取りはなかなかない。
マンションのチラシでも、良い間取りを見つけたらちゃんととっておいた方がいいなと痛感。
(一時期とっておいたりしたが、あまりに邪魔なので、ごく一部を除いて捨ててしまった。)
この本一冊で、間取りについて色々考えるきっかけになり、なかなか良い読書だったと思うが、港区のタワーマンションについての記述(以下囲み内に引用)にも大いに共感した。
本来、タワーマンションを建設するためには、大規模な敷地でかつ、河川・海・緑地など、周辺にゆとりのある空間が必要です。周辺環境との調和がとれないからです。しかし、周囲の環境を無視して造られたマンションがあることも事実です(特に東京都港区!)タワーマンションによって壊された環境は、街の魅力を落とすどころか、そのマンション自体の価値も落としてしまいます。
著者である斉藤ヒジリ氏は、不動産の仕事をしているだけでなく、港区で生まれ育っている。
それだけに重みがあるが、今後も港区内ではタワーマンション建設が続くのだろうか。
タグ:書籍
港区には好いマンションが多いですが、
これらは立地の良さから来る「相続税」の高さで、
払えないため、売却したという土地に建てられた
ものなんでしょうか?
元麻布2丁目なども「がま池」周辺などすごい
立派なマンションだらけですね。
確かに元麻布2丁目は、立派なマンションがたくさんありますね。
相続税の高さが原因かどうかは私には分かりませんが、可能性としては十分あり得る気がします。
少し調べてみたところ、昔のがま池はもっと大きく、現在の池周辺は埋め立てられた土地のようですね。
まさかそんな場所だったとは知らず、勉強になりました。
ありがとうございます。
日照の良くない隣接マンション側の設計図は確かに良くない部分もありますね
まあ個人的には三井、清水から実際に建物コンセプトを聞けて買いたくなりましたが。やはり若干予算が足りません。
今回のパークマンションはある意味買いたくてしょうがありません。こんな不景気ですし、いまですね。安いパークマンションだしてほしいー。
リビング壁面が湾曲しているというのは語弊があったかもしれません、150B・160Bタイプのことを言いたかったのです。
安いパークマンション、出たら欲しいですね〜。
いかんせん最近のマンションは高すぎます。
2000年台前半の価格相場を考えると、まだまだ価格を下げる余地はあるのではと思うんですけどね。
私の拙書をご紹介いただき、また共感までしていただきまして、ありがとうございました。
たまたま貴殿のブログを見つけ、私の伝えたいことを真に理解いただいて、
感激のあまりコメントさせていただきます。
また私が港区を出た理由とも関係しますので、少しだけ港区についてもコメントさせてください。
私は元港区住民ですが、昔とは随分と風景も環境も変わってしまった気がします。
良い環境の土地そのものが少なくなり、好立地でのマンションも少なくなってしまいました。
良い立地でもアレ?というような間取りのマンションばかりです。
やはり良いマンションが生まれるには、デベロッパー次第というところでしょうか(笑)
貴殿はもちろんご存じだとは思いますが、
港区内で真の環境の良い住宅地と言われるエリアは、本当に限られています。
しかし今の相場は画一的で高く、とても立地、環境に相応しいものとはとても思えないものが数多く存在します。
投資をするにはリスクを感じます。
本来は通り一本外れれば価値が全く違うのが不動産の世界なのですが。
例えば、
白金と白金台の違いもわからないようなデベロッパー、
それによるミスマッチな企画のマンション、
なにもわからず、それに群がってしまう消費者、
によって、
街の調和も相場も荒らされているのが現状ではないかと感じます。
それは行政にも責任があると思います。
むやみやたらに高層マンションを許可して、周囲の環境を壊すような都市計画、建築許可をしているからです。
港区に今後も高層マンションが増えるかどうか?
答えはYESです。
港区には住宅付置義務制度があり、
例えば港区内にビルを新築した場合、
ビルの建築主は、その床面積に応じた住宅を、新たに区内に建築しなければならないのです。
つまり行政はどんなことをしても、とにかくどんどん住民を増やしたい、
税収を上げたい、
そのためには高層マンションも全然OK!
の姿勢なのです。
結果、港区では無計画に住宅が増え続け、
高層マンションが乱立し、
価値のない高価格マンションばかりが生まれ続けているわけですね。
過密度は昔と比較すれば相当なものなのではないでしょうか?
こうしたことは港区に限った事ではありませんが、
特に港区については開発の行きすぎを感じてしまいます。
私は一都三県で資産価値のあるマンションを探して情報提供する活動をしておりますが、
しかし、これだけ建築されているのマンションの中でも、
立地、環境、買い得感、つまり資産価値を考えた場合、
港区においては、これ!
といったものは今のところ見出せていません。
現在であれば、周辺になってしまいますが、
立地、環境、建物品質でトータルで整っているのは、
渋谷〜代官山の「センチュリーフォレスト」くらいでしょうか。
でもきっと価格も一流なはずですね(笑)
長々と勝手なことを申し上げ、すみませんでした。
でもあなたのように研究されて、知識、相場観もお持ちなら、
いつかきっと良いマンションに出会えると思います。
ぜひオール5の良いマンションを見つけてください!
また機会がございましたら情報交換などもさせていただけたら嬉しいです。
わたしのHPも一度ぜひご覧になってみてください。
今後とも宜しくお願い致します。
まさか著者の方からコメントを頂けるとは思っておりませんで、いまさらながら「インターネットってすごいな」と思ってしまいました(笑)。
また、大変親切に色々と教えて頂き、ありがとうございます。
私はまだ港区に住み始めて10年も経っていませんので、昔がどうだったのかは知らないのですが、確かにマンションを探していても、港区内でマンションとして好立地な場所は限られていますし、そういった場所でリーズナブルな価格のマンションはほとんどないなと感じます。
ときどき、港区内ではもう良いマンションは見つからないんじゃないか、とも思いますが、「いつかきっと良いマンションに出会えると思います」と言って頂けると、頑張ってじっくり探そうという気になってきます。
ありがとうございます。
住宅付置義務については、以前聞いたことがあるような気もするのですが、すっかり頭から消え去っていました。
要は行政の姿勢ということなんですね。
共産党のチラシに「これ以上の高層マンション建設反対!」というようなことがよく書かれていますが、もっとそういう主張が増えて欲しいものです。
ホームページも拝見致しました。
本でも紹介されていた間ドリルの内容は、大変参考になりましたので、今後もぜひ拡充して頂ければと思います。
URLもいいな〜と思いました(Life Goes ONの略ですよね?)。
またぜひ、お時間のあるときにでも当ブログをご覧頂けると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。