先週公示された競売物件の中には、リフュージュ・Kとワールドシティタワーズが掲載されていた。
リフュージュ・Kの方は、専有面積が上下階あわせて約121uで、売却基準価額が3,850万円、買受可能価額が3,080万円。
ワールドシティタワーズの方は、専有面積が上下階あわせて約131u、売却基準価額が6,930万円、買受可能価額が5,544万円。
偶然だとは思うが、どちらも港南地区のマンションで、間取りはどちらもメゾネットタイプ。
そこそこの広さがあるが、いずれも所有者が一人で住んでいるようだ。
下階にLDがあり、上部が吹き抜けになっているのも同じ。
タワーマンションかそうでないかという違いはあるものの、専有面積も含め、非常に良く似た物件と言える。
築年月も4年しか違わない(リフュージュ・Kの方が平成13年築で古い)。
それにも関わらず、売却基準価額は大きく違う。
倍とまではいかないが、ワールドシティタワーズの方がリフュージュ・Kよりもちょうど1.8倍高い。
理由の一つとして、ワールドシティタワーズ物件はアクアタワー39階・40階と高層階で、眺望が良いことや、共用施設が充実していることが挙げられる。
有名人が住んでいるという情報もあり、超がつくほどではないにせよ、高級マンションというイメージから、市場でも一定の評価があるのかもしれない。
また、品川駅からの距離も、リフュージュ・Kの方が遠い。
間取りについてはどうかというと、ワールドシティタワーズの方はなかなかすごい。
というのも、浴室が2階にあるが、その浴室からルーフバルコニーに出られるようになっていて、そのルーフバルコニーにはジャグジー(写真で見る限り、ジェット付きバスタブのような感じ)がある。
ルーフバルコニーは東、つまり海側を向いており、ワールドシティタワーズよりも東側には(今のところは)超高層の建築物はない。
ヘリコプターとかが飛ばない限りは覗かれる心配もないわけで、これは湾岸タワーマンションならではの設備かもしれない。
(ただ、あまり健全な印象は受けず、いかがわしい感じがするが・・・。)
このワールドシティタワーズ物件、調べてみると、少なくとも昨年12月には売り出されている。
当初1億3,800万円だったのが、今年の3月に1億2,980万円に値下げされ、その後今に至るまで同じ価格で売り出されているようだ。
売却基準価額はそのほぼ半値ということになる。
都心のマンションが好調という報道もあるが、好調だとしてもごく一部のマンションに限られた話であって、港区で見ても全体としては依然として不調であるように思う。
特に中古築浅マンションは、最近いくつか出てきた大型の新築マンションの価格に引きずられているのか、やや高めの価格で売りに出ているように思うが、このままの相場では売れなくなるのではないか。
実際、港区の中古マンションで売り出されている数(仲介業者に流通している物件の数)は去年の9月と比べると約1.5倍、1,000件弱になっている。
個人的には早く下がって欲しいところだが(そうならないと買えないので)、実際どうなるか・・・。
恐らく相場が下がるときには、割安な価格での売り出しが少しずつ目につくようになると思うが、今のところそんなチラシには全然お目にかからない。
下がるとしてもまだ1年以上は先かもしれない。
ワールドシティタワーズ 所在地(中央赤の目印)
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2008年10月のリーマンショックから2009年4月までの半年間くらいでした。
この時は結構安い物件が散見されました。
買うなら明らかにこの時期だったと思います。
それ以降は完全に価格lは持ち直し、安定して推移しています。
今後、中長期で見ると株価は上昇していく可能性が高いので
不動産も当面は下がらないと思います。
中国人の買いも実際に入ってきています。
またこれ以上のデフレはないと見た投資家が都心のファミリー
タイプの築浅区分マンションを資産運用のひとつとして
これまで以上に購入し出しています。
よって少なくともあと2〜3年は堅調な相場が続くと予想します。
株価と不動産価格って連動するんですかね〜?
バブル崩壊から2000年代前半までは、確かにやや連動しているような気もしますが、それ以後はあんまり相関関係はないような気がします。
中国人の買いも今に始まったことではありませんし、不動産市況に影響するほどの勢力とも思えません。
ただ、今後インフレになることを見越して、実物資産を買っている人は増えているのかもしれませんね。
あと2〜3年は堅調と言われると、確かにそうあってもおかしくない気がします。
その一方で、住宅ローン新規実行数は低調だとか、基準地価が大都市圏でも下落しているとか(港区では高輪一丁目が横ばいのようですが)、堅調とは思えないニュースも耳にします。
個人的には、中長期で見れば不動産価格は下がっていくと思いますが、どうなるんでしょうね〜。
確かに、素人の私が見ても、建物のクオリティは全然違うような気がします。
ただ、やはり建築家の方からそういわれると説得力がありますね。
建物の質は、東京地裁のホームページのPDFからでも分かるものなのですか?
この部分を見れば分かるよ、といったことがあれば、ご教示頂けると幸甚です。
競売物件には私も興味ありますよ。
このブログでも時々書いてるつもりなんですが、最近更新自体があまりできなくなっているので、数としては多くないかもしれません。
まあ、興味はあるものの、実際に手を出すところまではなかなか踏み切れないと思います・・・。
競売資料を見るポイントについて、具体的かつ仔細にお書き頂き、ありがとうございます。
特に、キッチンや浴室のグレードに予算のしわ寄せが行きやすいということなど、大変参考になります。
リフュージュ・Kについてのコメントも大変勉強になります。
確かに、外装コンクリート打ち放しというのは、いわばコンクリートが丸裸状態なわけで、良いわけはないですよね。
ちょっと見れば分かりそうなのに、気がつきませんでした。
しかし、競売物件の情報というのは、不動産鑑定士によって書式が大きく異なるのは仕方がないんですかね?
今回の2物件の資料を見ても、リフュージュ・Kの方は管理の状況が優る・普通・劣るの3段階からの選択式で、WCTの方は単に一言「良好」とあるだけです。
前者の「普通」と後者の「良好」にどれほどの違いがあるか、さっぱり分からないのですが(もしかしたら、後者の「良好」は前者の「普通」と同義で、「良好」の上に「最良」というようなランクがあるのかな、などとも思ってしまいます)、こんなものなんですかね〜。
最近は完成後に分譲が開始されるマンションが港区内で目立ち始め、変化が出始めているのかなとも思ったりします。
プロの目から見て、何か新しい動き(建物のグレードが落ちてきた、とか)などあれば、ぜひまたコメント頂ければと思います。
こちらこそ、ご返信頂きありがとうございます。
また、距離が取れていないなんて、そんなことは全然ありませんよ。
とても参考になる内容でしたので、たくさん書いて頂いてありがたいです。
最近急に港区でそこそこの規模のマンションが出始めたり、雑誌とかに記事が書かれたりしてきたので、久しぶりに(自分にとっては)ハイペースで記事を書いてしまいました。
なにぶん素人ですので、見当違いのことを書いている部分もあるかと思いますが、ご容赦頂ければと思います。
ぜひまた何かあれば、お手すきの時にでもコメント頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
ニュースでやってました・・・
そんないわく付きの物件だったんですね・・・。
やはり競売に出てくる物件は普通じゃないものが多いようですね。
情報お寄せ頂き、ありがとうございました。