4月に入って年度も切り替わり、桜も咲き始め、計画停電も実施されない日が続くようになって、東京では完全に元通りとはいかないまでも、だいぶ地震前の状態に戻ってきたように思う。
個人的に気になっているのが、東京、特に港区ではいったいどのくらいの被害があったのかということ。
自分のマンションでは、建物に特に被害はなく、自分の部屋も被害はなかった。
強いて挙げるなら、直径10センチぐらいの小さな置き時計がパタンと倒れていたぐらい。
元から不安定でよく倒れる時計だったので、驚きはない。
自分は地震発生時は会社にいたので、家での揺れを体験してはいないが、ゆっくり、大きく、長く揺れたようで、室内の引き戸が大きく動いたり、閉めていなかったドアが開いたり閉まったりしたようだ。
大きくゆっくり揺れたのは、そもそも今回の地震がそういうものだった(港区には揺れがそのように伝わってきた)というのもあるだろうけれど、免震構造ということも関係しているかもしれない。
このブログを読んで下さっている方からのコメントを見ると、港区のタワーマンション上層階で何も被害がないという方もいれば、坂の上の方は被害が大きかった様子、という情報もあった。
Twitterを見ていると、グランドピアノが動いて壁にあたり、壁がへこんだ人がいるとか、住民が次々引っ越してゴミ置き場のゴミが激減しているとか、真偽不明だが港区のマンションについても地震による被害・変化が見受けられる
他地域のマンションについては、タワーマンションでも物や食器がたくさん床に落ちてしまったところもあるようで、YouTubeにはそういった動画がいくつかアップロードされていた(本記事末尾にリンクを掲載)。
一概に低層は安全で高層は被害が大きいということはなく、場所や建物によりまちまちだったようだ。
港区については特段の被害はないのかなと思っていたら、先週末頃、広報みなとの「東北地方太平洋沖地震特集号」が新聞に折り込まれて入ってきて、そこに港区の被害状況がまとめられていた。
それによると、港区内の最大震度は5弱、人的被害はなし(重軽傷者もなし)、建物の被害は全壊はなしだが、ビルの傾き1件、道路橋梁で小さな陥没数箇所、とある。
それを読んで一番びっくりしたのが、港区内の最大震度が5弱だったということ。
自分は、てっきり港区も震度5強だと思い込んでいた(東京でも震度5強、という報道を見聞きしていたので)。
自分のマンションでも、近所のマンションでも、多くの人がマンション1階に降りてきてくるほど大きな地震だったわけだけれど、震度でいうと5弱で、震度4の一つ上でしかない。
震度5強でも自分の住まいは何も被害はなかったから、震度6弱ぐらいなら何とかなるかもしれないな、などと少し思っていたが、考えが甘すぎることを知った。
今回東北地方では震度7のところもあったわけだけれど、東京で震度7の地震がきたら、一体どうなってしまうのか。
本当に深刻なことになるのではないかと、逆に心配になってきた。
ビルの被害については「傾き1件」だけで片付けられてしまっているが、自分の家の近所だけでも、(古そうな建物だが)柱に地面から上部へ向かって数メートルの大きな亀裂が走っているところがある。
そういったものも被害として集計すれば、港区内でもたくさん出てくると思う。
また、外観は何ともなくても、内部でダメージを受けているところもあると思う。
特にマンションに関しては、専門家による調査、それが無理でも各管理組合からの聞き取り調査などをして、築年数ごとや、地区・階数・構造などごとに被害状況をまとめて公開して欲しい。
今は区の担当者も大変だろうけれど、落ち着いた頃にぜひお願いしたい。
埋め立て地の被害も、浦安の被害が甚大だったために、港区でどうだったのかはあまり報じられないが、これまたYouTubeに港南地区での液状化の様子があった。
港区港南液状化の様子(東京海洋大学グラウンド)
真偽は不明だが、芝浦では信号機が傾いているというTwitterの書き込みもあった。
断水など、液状化による大きな影響はなかったと思うが、今回たまたまなかっただけで、いずれは浦安と同じように、あるいはそれを超える被害が出ることも覚悟し、対策をとるべきだと思う。
地震、津波、原発と次々に災害・問題が起き、先週までは原発がとにかく心配だったが、港区の最大震度が5弱だったと知り、改めて地震そのものへの備えが必要だと実感した。
【マンションでの揺れの様子や、地震後の室内の様子の動画】
東京都マンション7階の室内、食器などが大量に落ちてしまっている
http://www.youtube.com/watch?v=boFecK9yAuA
東京都マンション11階、色々なものが床に落ちている
http://www.youtube.com/watch?v=k5gHE5AvJEc
東京都、築10年越えマンションの14階、食器などが大量に床に落ちている
http://www.youtube.com/watch?v=5EV1t43V5J4
東京都中央区マンション14階、冷蔵庫が動いたり、洗剤のボトル類が落ちている
http://www.youtube.com/watch?v=penkTBfVx6s
東京都マンション37階での地震の様子、水槽の水が大きく揺れてこぼれ、スピーカーらしきものが倒れている
http://www.youtube.com/watch?v=a2ZvQnBoemM
新浦安の高層マンションでの地震直後の室内、および液状化の様子。薄型テレビや食器類が床に落ちている
http://www.youtube.com/watch?v=luyOxUEBhTA
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今回の地震の港区に関する揺れ方で「坂の上の方は被害が大きかった様子」というコメントがありましたが、これはどなたかが有栖川公園内の中央図書館の本棚の揺れが大きかった、などといった意見を元にされたのですか?もし他にも証言がたくさんあったのでしたら、読んでいないのですみません。
私は図書館にも近い元麻布の坂上のタワーマンションの低層階に住んでいます(一つしかないのでどれだかすぐお判りのことと思います)。私が聞き集めた状況によると、坂上の方が揺れが激しかったということは、特にないように感じます。むしろ建物の形体や構造、あるいは内部の家具にまつわる差異の方が大きいのではないでしょうか。
揺れを強く感じるとされるタワーマンションにおりましたが、免震設計のためかもしれませんが、水平に大きな揺れずっと続き、たしかに震度5でしたので近過去と比べると格段に揺れ、どうなることかと思いましたが、棚に飾ってあったもの(ガラスの額縁もありました)も、食器も、本も、何一つとしてズレもしませんでした。
ですので個人的には、やはり何世紀も前から大きな寺が所有していた元麻布付近の高台は、やはり地盤が強いのではないか、なんて安心していたのですが。。。
ちなみに三の橋付近(坂下)の南麻布の低層オフィスビルの5階では、書類のファイル棚が倒れました。なお早稲田の中央図書館にいた人の話によると、地下はまあまあですが、地上階にあった本は相当落ちた、との話でしたので、中央図書館の本棚の件は立地のみによるものでもない気がいたします。
でも全て個人的な意見で科学的や統計学的な根拠は全くありません。
「坂の上の方は被害が大きかった様子」と書かせて頂いたのは、前々回の記事へのコメントで、「西麻布在住です。私の周りでは坂の上のほうが大きくゆれ、被害が大きかった様子、逆に外苑西通りぞい築30年くらい前のマンション、は、上層階でもほとんどなにも起きなかったというマンションの方も多いです。」という情報を頂いていたためです。
http://condo.seesaa.net/article/190782110.html#comment
「西麻布あたりでは」と記載しておけば良かったかもしれません。
もとあざぶさんがお住まいのマンションは、形状からも上層階は大きく揺れそうに見えますが、低層階はそう激しくは揺れなかったんですね。
私もあの後知人の話を聞いたり、インターネットの情報を見たりしましたが、どうも免震は非常に効果があったようです。
立地や、低層階か高層階かということも重要とは思いますが、揺れに対する室内の被害をおさえるには、建物の構造が最重要のように思います(これも個人的な意見ですが・・・)。
ただ、私の住むマンションも免震ですが、新築当時よりも揺れやすくなっているような気がします。
入居1年目あたりは、震度2でもほとんど揺れに気付かないぐらいだったように思いますが、今は震度1でも揺れに気付くことがあります。
免震装置も多大な負荷がかかる部分だと思いますが、メンテナンスをどうやってやるのか、そもそもできるのか、よく分からず疑問です。
地盤が良く、免震構造だとしてもあまり安心はできない、してはいけないと考え、対策を強化しようとしているところです。
ご参考になるかわかりませんが
私の住む白金3丁目ー10番 あたりでは
とくに大きな被害はなかったようですが
一部の古いマンションでしばらくエレベーターが
動かなくなったと聞きました。
私の家は木造の小さな家で
家族が階段を走ると大きく揺れてしまう
様な家ですが。
今回の地震では特に物が倒れた様子ももなく
逆にびっくりしてます。
白金小学校のあるクラスでは金魚ばちから
金魚が外に飛び出したようです。
これが震度6や7になるともう
我が家も駄目でしょうね。。
本当に怖いです。
港区は震度5弱との事ですが
揺れている時間が異常に長かったので
恐怖心が増したのだと思います。
こちらこそ、大変参考になるコメントありがとうございます。
マンションはやはりエレベータが一番影響を受けやすいんでしょうね。
特に古いマンションともなると、受けるダメージも大きいように思ってしまいます。
私が住むマンションも、エレベータのうち1基は長い間止まっていました。
戸建ての場合は、地面から近いので、マンションと比べると意外に揺れが弱かったりするんですかね。
私の実家は横浜ですが、やはり戸建てで揺れは全然大したことなかった、余震も1階にいるとほとんど気付かないと言っていました。
震度6強とか7とか来たらどうなるのかは本当に怖いですね。
日本にいる限り、どこに住んでも大規模な地震がいつ来てもおかしくないような気がするので、津波の来ない内陸で頑丈な戸建てに住むのが一番なのかな、とも思います。
3/11私も海洋大学の校庭は見ていますが、液状化は起きていませんでした、この映像は意図的に手を加えられた可能性があります。
それにもし水が染み出たとしても、このように白くハッキリ見えるのはおかしいと思いますよ
日光が反射して、白トビして映っているだけでは??
映っている人たちも、水面を覗き込んでいるように見えますし、やはり実際にあったのだろうと思います(私は当日はおろか、海洋大学の校庭を実際に見たことは一度もありませんので、推測ですが)。