紹介されている物件は、シティタワー高輪と、品川Vタワー。
シティタワー高輪の方は、29階の130.00uの住戸が1億4,600万円で、その下には「分譲時価格1億7,700万円」とある。
シティタワー高輪は2004年1月完成の35階建てタワーマンション。
埋め立て地でもなく、高台というほどではないが緩やかな坂を上がる途中にあり、地盤は良いように思う。
販売が行われていたのは完成より少し前で、都心のマンションがバブル崩壊以降の最安値で売られていた時期。
しかも、最寄り駅である白金高輪駅は、2005年末頃にアエルシティが開業したことで駅としての人気も以前よりは高まり、さらに同年にはシティタワー高輪のすぐ隣に高輪ザ・レジデンスが完成し、その1階部分に24時間営業のスーパーリンコスが開業している。
そういった経緯から、白金高輪近辺で2000年代前半に分譲されたマンションは、中古になっても分譲時価格を上回って取引されるのが当たり前だったけれど、今回チラシで紹介されている住戸は、分譲時価格を2割近くも下回っている。
昨年の今頃はどうだったのかと見てみると、昨年4月25日時点では27階の129.68u住戸が1億8,900万円で売りに出ている。
完全に同じ住戸ではないが、坪単価で比べると今回のチラシ住戸は371万円、昨年の住戸は482万円で、今年は昨年の3/4近くにまで下落している。
品川Vタワーについて見てみると、今日のチラシには14階の76.06u(7,700万円)、22階の87.08u(8,680万円)の2住戸の間取り図と、その他に売り情報として14階の59.12u(6,180万円)、33階の99.65u(1億500万円)、28階の84.71u(9,200万円)、40階の80.00u(8,640万円)、9階の76.06u(7,980万円)が列挙されている。
これも昨年4月25日時点で売りに出ていたものと比較すると、軒並み安くなっている。
例えば、76.06uの住戸について見ると、昨年は同じ専有面積で9階の住戸が8,780万円(これはもしかしたら今回のチラシに載っている7,980万円と同じ住戸かもしれない)。
87.08u住戸も、同じ面積でこれまた9階の住戸が1億1,000万円で昨年売りに出ている。単純に価格を比べても2割以上下落しているが、昨年のは低層階、今回は中層階だから、所在階の違いを考えれば3割近い下落と考えてもいいかもしれない。
その他の住戸も軒並み値下がりしていて、例えば40階の80u住戸については、昨年全く同じと思われる住戸が9,980万円で出ており、約13.5%の値下がりということになる。
今日のチラシには、品川Vタワーにだけわざわざ「新耐震基準適合」ということも書いてある。
だいたい1980年以降に建てられたマンションが新耐震になっているわけで、2003年築の品川Vタワーは言うまでもなく新耐震だが、わざわざそれを書いているのは品川Vタワーが埋め立て地に建つマタワーンションで、地震の揺れと停電による影響だけでなく、液状化も心配されて人気がガタ落ちしているからでは、と勘ぐってしまう。
自分はもともとタワーマンションは嫌いなので、食わず嫌いはいかんと思いオープンルームを見に行ったりはしても、具体的に検討したことはないし、タワーマンションが人気というのが不思議で仕方がなかった。
今回の大地震を機に、その人気がどうなるのか気になっていたが、早くも中古タワーマンションの価格に人気のかげりが見て取れる。
ただ、今回はまだ地震から1ヶ月半ぐらいしか経っていないので、この先どうなるかは分からない。
シティタワー高輪についても、昨年4月と比べると確かに大きく値下がりしているが、昨年末頃と比べるとそんなに値下がりしてはいないようだ。
他のタワーマンションはどうなのかと思い、芝浦アイランドグローブタワー、同ケープタワー、高輪ザ・レジデンスについて、今年の4月15日にヤフー不動産に載っていた物件情報と、昨年4月25日の情報とを比較してみたけれど、一部昨年より大きく安くなっている物件があったものの、全体の平均坪単価は昨年も今年もほとんど変わらなかった(ただし低層階と高層階の価格差が縮小していたり、価格が逆転して低層階の方が高いケースが今年は多い)。
従って、今後の経過を見ないと、タワーマンションの人気が落ちて価格が下がった、とは言い切れない。
が、都心回帰の動きがあると言われ、さらに新築マンションの供給は(コンパクトタイプを除けば)少ないために中古市場が活性化すると言われる中で、引き続き港区の超高層物件の価格が下がっていくようなら、人気凋落は明白。
今後の動きに注目したい。
数年経つと修繕費が急激に上がっていくのも、
売る際のネックになりますよね。
先日、免許の書き換えで高輪警察に行き、
帰りに当該マンションの脇を通って帰ったのですが、
あの辺り、白金高輪の駅からは遠いですよね。
駅から遠いタワマンなんて旨味無しだと思いました。
スーパーもレジデンス下あたりのぐらいで、
競争がないせいか、とってもお高い;
野菜を買おうと立ち寄りましたが、何も買わずにすごすご出てきましたよ(^^;
あの辺りの物件価格は地震の影響以前の
問題のような気もしました。
おまけに埋立地、とくれば不人気要素ダブルパンチで、今売りに出すオーナーは暴落前に損切りできる余裕ある方なのでしょう。
しかし個人的には私もタワマン好きではありませんが、といって低層に人気集中しても、買えないフラストレーション溜まるだけでは?という気がします。
新築で都心なら間違いなく高いですし、建て替えるにしても余剰床創出(高層化)がマストですから。戸数が稼げなければデベも旨味が薄いですし。
低層の平均億物件(渋谷のうぐいす住宅建て替え的)以外は某デベの重層長屋に代表されるユニクロ物件か程度のいい中古か、みたいな選択になってしまうのでしょうか。
確かに修繕費はネックになりますよね。
そもそも、超高層のタワーマンションで大規模修繕をしたようなところはほとんど皆無だと思いますので、実際にその時期を迎えたときに修繕積立金が足りるのかどうか、また将来建て替えが必要になったときにどうするのか、甚だ疑問です。
シティタワー高輪のあたりは、おっしゃる通り駅から遠いですね。
スーパーリンコスも、ごくごく一部で安いものがあったりしますが、ご指摘の通り高いと思います。
私もほとんど利用しません。
あのあたりからでも、二本榎通りをそのまま田町方面に伊皿子交差点のピーコックまで歩いて買い物に行っている人もけっこういる気がします。
そのリンコス以外は、コンビニと飲食店が少しあるぐらいですし、あまり便利ではないですね。
確かに震災に関係なく元々の値付けがおかしいだけという気がしてきました。
地震の影響が価格に出てくるのはまだこれからかもしれませんね。
確かにタワーがダメだから低層か戸建てしかないとなると、全く買えないですよね。
個人的には、20階建てぐらいまでの、中層でもないが超高層とまではいかない高層マンションで、その10階以下ぐらいに住む分には、地震や停電でもある程度影響は少なく済むんじゃないかと思っています。
停電で水が出なくなるのは戸建てや低層にはないデメリットですが、エレベータが止まっても10階以下なら大丈夫だろうと思いますし。
そういったマンションなら、それなりに手頃なものもあるので、何とか買えないかな・・・と思っています。
それならタワーの低層階に住んでもいいのではという意見もあると思いますが、タワーマンションは歴史も浅く、未知のリスクがある気がするのと、将来の持続可能性がないように思うので、賃貸で短期間住むならともかく、購入すべきではないと考えています。
ただ、あの重層長屋だけは遠慮したいですね。
買う買わない以前に、作って欲しくないです。
港区は白金(の庶民系の方(笑))と赤坂(6丁目)に数年ずつ住んでおりました。白金高輪、白金台あたりが個人的に気に入っておりまして、参考にさせていただいております。といっても、帰任はおそらく来年・再来年あたりで、それからまた社宅で少し落ち着いてから家探しになると思うので、実際の購入はおそらく3〜5年後と気の長い話ですけど(笑)。
こちらの不動産状況は日本と対照的ですが、日本の状況はどうなるんでしょうね。原子力と余震が落ち着くことがまず大前提でしょうが、経済の悪化に伴って、特に相対的に値段が高く、景気により敏感な都心の価格が全般的に下がることは間違いない気がします。
かつ、今回の地震を受けた市場の中の価格調整が進む気がしますが、やはり湾岸のタワマンは液状化でさらに厳しい状況になりそうな気がします。ただ、内陸の方はどうなるんでしょうね…やはり、低層高級マンションは相対的には高値を保つ気がしますが(少しぐらい下がっても絶対買えないけど)、タワマンは、やはり下層と上層の差が減る形になるんでしょうかねぇ。
個人的にはタワマンの設備を使えるのが気に入っており、かつ高層が好きではないので(今の住居(タワマン)も、選べたんですが、中下層にすんでうおります)、購入するとしたら内陸タワマン中下層かなと思っていました(高い階は小さい部屋しか、買えないと思うし)。ただ、書かれているようなリスクも考えないといけないですね、賃貸みたいに身軽じゃないし。
また、訪問させていただきます。長文失礼しました。
また、いつも楽しみにして頂いているとのことで、本当にありがとうございます。
日本の不動産は、おっしゃる通り全体的には下がるのではないかと私も思います。
そもそもの価格が高すぎる上に、住宅ローンは建物が壊れたり住めなくなっても債務が残るようになっているわけですから、今この状況で東京のマンションを買おうと思う人は以前よりは少ないと思います。
個々のマンションについては、大きく下がるところもあれば、ほとんど変わらないか、少し上昇するところもあるかもしれないですね。
港区でタワーマンション高層階を買っているのは富裕層や、会社名義での購入が多いと思いますが、低層マンションも見に行ってみると銀行が持っている役員向け住宅だったり、その上階は超大物の元プロ野球選手だったりして、年齢層は違うかもしれませんが、社会的な階層は近いと思います。
そのタワーマンション上層階を買っていた層の一部が低層マンションに買い替えるような動きに出れば、低層は値上がりすると思います。
タワーマンションの共用施設は、確かに魅力的なものもありますよね。
個人的には、図書館の自習室のような設備はいいなあと思います。
私も白金高輪・白金台エリアは好きなので、白金高輪駅直結の白金タワーには心を揺さぶられました。
あれがタワーでなければ良かったんですが・・・(タワーの横にテラス棟もありますが、狭めの間取りしかないようです)
私も当初は港区でマンションを購入しようと思っていましたが、今は特にこだわらず、賃貸を含め色々な選択肢を考えています。
中国の不動産はどこまで上昇するんでしょうね。
中国の状況も興味深いところですので、そのあたり含め、ぜひまたコメント頂けると嬉しいです。
免震がベストと言っていた専門家が、今回の震災で意見が変わって来ていますね。私は素人ですが、免震は例えばアイソレータと呼ばれるバファー効果のあるものを基礎部分に置いているようですが、当初は数十年は問題無し、かなり遠い将来にジャックアップして交換することになるというお話でした。今回の本震では深刻なダメージを受けてはいないようですが、稀に見る大地震でしたので、以後の余震が回数と強さとも半端ではなく、これがアイソレータの劣化を猛烈に早めているという話を聞きます。
極論では、もう次に強い地震が来た際には機能しないという説もあります。
となると、やはり地盤勝負で、そこにちゃんとした耐震が施されているのがベストなような気がして来ました。
昨年、こんな本を読みました。
http://www.book-navi.com/book/syoseki/earth.html
港区に関してもかなり触れられており、マンション探しの際に参考になるかどうかわかりませんが、縄文時代まで遡るというのは面白いですよ。もし、お時間がありましたら、一読をお薦めします。
話は変わりますが、大前研一さんが「日本ほど所有へ対するペナルティがきびしい国はない」と仰っています。確かここでご覧になれたと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vDtbsQXrqAE
独特なお説ですが、根拠のないお話でもないでしょう。
全ての不動産が対象になるとは思いませんが、恐らく、マンションであれば都心、高台、低層というのが条件になるのでしょうね。
私もそうですが、こうした非常に高額なマンションを購入する余裕がない者は、賃貸生活という割り切りも必要な気がして来ています。
一方で、日本の財政悪化に伴い予想されるハイパーインフレや最悪はデフォルトというお話からすれば、資産を不動産で持つということはリスク回避にはなります。ただし、ローンがダメということになれば、港区はおろか都内もきびしいですね。。。
免震については、私も不安を感じています。私の住むマンションも免震で、アイソレータというのか私はよく分かりませんが、とにかく揺れを吸収する部分に問題ないかどうかのチェックを今後専門家が行うことになっているそうです。結果がどうなのか、少し気がかりです。
紹介頂いた書籍、大前研一さんの動画はいずれも面白そうな内容ですね。時間を見つけて見てみたいと思います。自分の住んでいる場所も、江戸時代の古地図とかを見ても大名屋敷のような感じで大まかに書かれているだけで、そこの庭に池があったのかどうかとかなんてことは全然分かりません。もっと昔まで遡って考えた方が良いのかもしれませんね。
ハイパーインフレやデフォルトということになった時には、住宅ローンの残債務がどのような扱いになるんでしょうね。インフレなら額面は変わらずそのまま、デフォルトなら債権(預金)も債務も消滅?なんてことになるんでしょうか。不動産を所有する人には利益になるのかもしれませんが、そういう事態にならないことを祈るばかりですね。