発行元は渋谷支社ということで、掲載されている物件も渋谷区、港区、新宿区、目黒区が中心で、チラシ表面に一番目立つ形で紹介されているのが白金三光アンクレー。
写真や間取り図も大きく載っているので、予算的には全く手も出ない価格ながら、じっくり見てみた。
【概要】
白金2丁目の低層マンションで、総戸数は13戸しかない。
昭和60年5月築ということなので、新耐震ではあるものの、今月で築後丸26年になる。
施工は竹中工務店とのこと。
チラシで紹介されているのはその4階、224.12㎡と広い住戸。
価格は1億8,800万円で、平米単価84万円、坪単価277万円ということになる。
専有面積が非常に広いので販売価格は高いが、単価がそう高いわけではない。
ただし、価格だけでなく管理費も高額で、月額98,056円。
このほか修繕積立金が同14,708円、敷地内駐車場の使用権が月額5,150円。
駐車場の使用料が非常に安い（屋根付き平置きということなので、場所を考えると4万円以上してもおかしくない）ので、管理費と駐車場料金をあわせて考えればそう高くないとも言える。
しかし、修繕積立金はこれではとても足りないと思う。
【立地】
チラシの物件概要欄には、白金高輪駅徒歩8分、白金台駅徒歩10分とある。
どちらの駅も周辺にスーパーが複数あるなど便利だが、どちらからも少し離れている。
地図で白金三光アンクレーの場所を確認すると、白金高輪駅からも白金台駅からも、ぐるっと大きく回らないと行けないような場所にある。
途中まで（三光坂を上がるところまで）は何度も通ったことがあるが、その先は袋小路の道へと進む必要があり、さすがに行ったことがないのでどんな感じか分からない。
ただ、恐らく三光坂を上がった後、今度は少し坂を下るはず。
つまり、白金高輪駅からだと、行きも帰りも坂の上り下りが両方あるわけで、表示上は徒歩8分でも、実質は10分ぐらいかかるように思う。
白金台駅からはほぼずっと下り、逆に白金台駅に行くにはほぼずっと上りのはずなので、これもそう楽な道ではない。
白金高輪駅や白金台駅の近くであれば、車はなくてもあまり困らない（必要に応じてタクシーやレンタカー等を使えば良い）のだが、白金三光アンクレーだと日常の買い物も徒歩だと辛いかもしれない。
車で白金高輪のクイーンズ伊勢丹（駐車場がこのあたりのスーパーでは一番広い）に行くことになりそう。
やや高台だし、静かな場所なはずなので、車での移動が中心の人向けだと思う。
【間取り】
東・南・西の三方角部屋で、陽当たりも風通しも良さそう。
３ＬＤＫで、浴室が２つある（うち１つは主寝室直結で、トイレ・洗面も同室）。
チラシにもあるが「外国人仕様」なのだろう。
今回に限らず、日本語のチラシで「外国人仕様」と得意げに書いてあるのを時々見かけるが、どのような効果を狙っているのか甚だ疑問だ。
本当に外国人仕様なら、バスタブの外で体を洗えないのではと思ってしまう。
さすがに224.12㎡もあるので各居室はゆったりしていて、ＬＤが41帖、主寝室が20帖、その他の寝室が8.5帖と7.6帖。
キッチンが12帖で食事のできそうなスペースがあり、その他に浴室より一回り大きいユーティリティスペースがあるところを見ると、メイドを雇うことが前提の間取りに見える。
【周辺相場】
すぐ近くにあるサンウッド白金三光坂は、平成19年築なので単純比較はできないが、昨年12月に91.59㎡の物件が1億1,000万円で売りに出ていた。
それと比べれば、今回の白金三光アンクレーは少し安く見える。
ただ、サンウッド白金三光坂にしても白金三光アンクレーにしても、ここ数年で中古売り出し価格がかなり大きく変動しているようで、サンウッド白金三光坂は2007年9月には同じ広さの91.59㎡が1億6,600万円で出ていたし、白金三光アンクレーも2009年の夏頃に今回と同じ広さで5階の住戸が2億2,500万円で出ていたようだ。
どちらのマンションも総戸数は十数戸しかないのに、その割によく売りに出ていて、投機的な感じがしないでもない。
この一帯に関しては、相場などなさそうだ。
【所感】
東日本大震災がなければ、外国人あるいは外資企業向けに販売できたのかもしれない。
金額も間取りも普通の日本人の感覚からはかけ離れていて、地震により人気が高まるともいわれる高台・低層マンションではあるが、居住用に買う人が果たしているのだろうか。
普段絶対に行かない場所にあり、価格も間取りも自分の感覚からはかけ離れているので、同じ港区ではあるけれど、ものすごく遠く感じた。
白金三光アンクレー 所在地（中央赤紫の目印）
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このマンションは、三光坂を服部家の家の脇の細い道路を入った行き詰まりのところにあります。三光坂付近は勿論白金エリアNo.1(?)の場所ですし、この脇の通り自体も閑静ですてきな戸建て住宅があったりしますが、さすがに白金三光アンクレーはどん詰まり過ぎて厳しい気がします。あと地形も変な感じがします。
おそらくそういうこともあって周辺の地価と広さにくらべて割安なので、実需でない人が転売・投機目的で買っている模様で、一昔前から定期的に市場に出てきますが、見に行くとちょっとここに住むのは・・・と思ってしまいますね。車通りはほとんどないですが、もし向こうから車が来てしまったらすれ違うスペースはないので100メートルくらいバックする羽目になりますし。
行き止まりでちょっと入って行きづらいところなので、詳しく教えて頂きありがたいです。
やっぱり投機での売買が繰り返されているようなところなんですね。
転売目的で保有している方は、ちゃんと管理費とか払ってるんでしょうか。
これだけ高額な管理費を払い続けて、転売目的で持つというのはかなり勇気の要ることだと思います。
しかし、人が住まずに転売が繰り返されるだけだとしたら、悲しいマンションですね・・・。