Part1〜3の三部構成になっていて、所々に囲み記事や関連記事が配置されている。
Part1は新築マンションについてで、「売れ筋キーワードは『値頃感』」という見出しで記事が始まっている。
具体的には、今年9月の新築マンション供給が前年同月比で7ヶ月振りの二桁増となったこと、初月契約率が2ヶ月振りに7割台にのせたことを挙げ、マンションの秋商戦は供給の回復と共に熱気を帯びてきた、としている。
ただ、全てが好調というわけではもちろんないわけで、個人的にも売れているのか気になっていたコンパクトマンションについての記述があった。
「現在分譲中の物件は、2006年から2008年にかけての不動産ミニバブル期に高値で用地を取得したものが多いため、坪単価は高水準」
「近年は大手デベロッパーが相次いでコンパクト市場に参入。港区六本木や新宿区、文京区などの一部では需給バランスが崩れつつある」
「消費者の価格に対する視線は一層シビアに」など。
首都圏のコンパクトマンション販売担当者にヒアリングした結果も、1/3の物件は売れ行きが厳しいという回答だったとのこと。
Part1の後、Part2の前に、3大都市圏の災害リスクマップと題した記事があり、首都圏リスクとして1〜4まで挙げられている。
1が地盤・活断層・液状化で、要は地震リスク。
2は水害で、3に土壌汚染とある。
今土壌汚染と聞くと、何となくいわゆるホットスポット、セシウムやらストロンチウムやらが検出されることを想像するが、それはリスク4で放射能汚染として取り上げられていた。
ここでいうリスク3の土壌汚染というのは、震災以前から問題となっている、有害な化学物質などで土壌が汚染されているリスクのこと。
一部の特殊なケースだと思っていたが、土壌汚染の例として挙げられている10例のうち、なんと2箇所が港区内(麻布十番三丁目と、高輪三丁目)。
これには少し驚いた。
Part2は中古・戸建て編。
最初の2ページがマンションの建て替えについてで、多摩ニュータウンの諏訪2丁目住宅マンション建て替え事業を成功例として紹介している。
容積率や建ぺい率の緩和で、現在の倍以上の戸数にできれば住民負担も少なく、建て替えの賛同を得られやすいがそれは簡単ではない、老朽化マンション対策はこれからが正念場、と結んでいるが、戸数の拡大以外に何か策がないのか、実用化される前の段階のものでも、紹介して欲しかった。
目先で問題になるのは昭和55年頃までの旧耐震マンションだろうけれど、いずれは超高層のタワーマンションも老朽化してくる。
もう少し長期的な視点での記事も読んでみたい。
Part2の中に、「震災前から始まっていた外国人の東京離れ」という囲み記事があり、興味深かった。
港区の国籍別外国人登録者数推移のグラフが載っているが、国籍が米英仏独の人はリーマンショック以降右肩下がりで震災以後さらに急激に減っているのに対し、韓国・北朝鮮・中国の人はほぼ一貫して右肩上がり。
確かに、最近スポーツセンターで、第一・第三日曜日の区民しか入れない日に中国人が以前より増えているような気もする。
外国人向け賃貸住宅については、賃料がほぼ下げ止まったとか、空室率が改善したという仲介会社のコメントも書かれてはいるが、トウキョウの地盤沈下は続く、と最後にまとめられている。
Part3では、主要駅の最新マンション価格動向として、70u換算の新築マンション価格と平均賃料、分譲戸数、マンションPER(賃料何年分で新築価格を回収できるか)、70u換算の築後10年(築後9年以上11年未満)中古マンション価格と対前年変動率が表になっている。
個人的には中古マンション価格動向が気になり見てみたが、なぜか南北線の駅で下落が目立つ。
例えば白金高輪がマイナス6.3%、白金台がマイナス9.7%、三田がマイナス6.8%など。
南北線以外の港区の駅では大きく上昇している駅が多く、例えば六本木は20.9%、麻布十番は11.4%、乃木坂が12.5%、品川が23.9%増など。
品川については、記事本文で、港南側ではなく高輪側で中古マンションが流通し始めたことによる、と書かれている。
確かに、品川駅を最寄りとする高輪4丁目には、平成14年前後に出来たマンションが多く、いずれも価格は港南側よりはるかに高い。
体感としては、全体的に昨年より下がっている気はするが、実際どうなのかを客観的に表すのはなかなか難しいと実感。
全体を読んでも、(毎度ながら)やや物足りない感は否めないが、行政が土壌汚染や外国人数など、行政が発表している資料で見ていないものがたくさんあることに気づかされた。
毎年似たような記事なので、ちょっと飽きてくる部分もあるものの、今年は震災があったこともあり、今まで検討してきた通りに都心でマンションを買うべきなのかどうか、改めて考えるきっかけとしては読んで良かったようにも思う。
遅ればせながら「東洋経済」私も読みました。
湾岸タワーの売れ行きは気になるところですが、野村のプラウドは人気のようですね。中古の湾岸タワーマンションは、売れていないと思っていたのですが、どうやら分譲価格時より、値上げされているみたいです。同じタワーなら、記事にあった「値ごろ感」から、新築の安いマンションに顧客が流れ、中古マンションは苦戦してそうですね。我が家も不動産屋に勧められましたが・・・
また、さるうさぎさんと同じくコンパクトマンションの記事はなるほどと思いました。投資用の購入は減ったとはいえ、女性をターゲットにすれば、おのずと仕様や立地など、シビアになると思います。結果、大手でない、値付けを誤ったマンションは売れ残るでしょうね。私も新築で見にいったモデルルームの来場が女性ばかりで、驚いた記憶があります。
土壌汚染の記事は、新鮮味がありました。誰しも汚染のないところに住みたいですが、わずかな汚染は公表されることなく、うやむやなままビルやマンションが建てられていそうです。個人的にはガソリンスタンドの跡地も避けたい感じです。ハザートマップだけでなく、地歴の確認も大切だなと思いました。
ところで先日高輪4丁目の中古マンションを見学にいってきました。あのあたりは、品川駅から近いのに閑静な住宅街で住みやすそうなところですね。ブログで紹介されていた藤和高輪ホームズは、大規模修繕なのか、カバーがかかっていました。見たのは別のマンションなのですが、ちょっと予算がオーバーしているのと、若干狭かったのと、学校が遠いのが気になって、やめました。
これからも情報よろしくお願いします。
湾岸タワーマンションは、物件にもよるのでしょうけれど、そう大きくは下がっていない気もしますね。
芝浦アイランドとかは、今でも分譲時より高く売り出されているように思います。
湾岸に限らず、2000年代前半〜半ば頃に分譲された港区のマンションの多くは、今中古で分譲時より高く売られているのでは、とも思います。
震災前よりはいくらか価格も下がっているように見えますが、まだまだ下がるんじゃないかな、と思っています。
高輪4丁目はいいなあ、と私も思います。
新幹線の駅で、将来的にはリニアモーターカーの始発駅になる駅から徒歩圏で、閑静な高台で、娯楽施設の多い品川プリンスがすぐそばというのは非常に魅力的だと感じます。
良いスーパーが近くにあるとより良いんですけどね。
最近はあまりあのあたりには行っておらず、藤和高輪ホームズの件も知りませんでした。
その他色々参考になるコメントを頂き、ありがとうございます。
またぜひお立ち寄り頂けると嬉しいです。