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2012年01月06日

不動産市況情報に思う2012年 年始所感

今朝は新築マンションのチラシがいくつか入っていたが、12月中旬頃から昨日まで、年末年始でマンションのチラシも少なく、なんだか一ヶ月ぐらいまとまった量のマンション売り出し情報を見ていない気がした。
そんな中、いつからか頼んでもいないのに毎月送られてくるのが、住友林業ホームサービスのDM。
他社のDMは、単に「不動産無料査定の案内」とか、「○○(自分の住んでいるマンション名)でお探しの方がいらっしゃいます」というような内容がほとんどで、読むに値しないものばかり。
それに対し、同社のDMは「住友林業ホームサービス 不動産市況情報」や、「マンション相場情報」(自分が住むマンション周辺での成約物件一覧、数字は大まかなものにぼかされている)といった、ちゃんとした資料が同封されている。

年末の大掃除で、「不動産市況情報」の10月号から12月号までが出てきたので、その内容を見てみたら、なかなか興味深い。
以下はその抜粋。



■10月号
<全体感>
・不動産市場は4月を底に着実に回復
・繁忙期である9月は、高額物件は例年並みとまではいかないが、それ以外の動きはかなり良くなってきた。
・物件成約価格は買い主主導となり、計算式には現れない日照・眺望・間取り・使い勝手・手入れの程度や、時には売り主の人柄さえも価格に影響する。
・以前の都心マンション購入者はキャピタルゲインを期待し、購入=投資と考える傾向が強かったため、長期保有時の費用・修繕計画は重視されなかった。今は、それらを重視する人が増えている。永住を考えているため。
・以前は購入検討から短期間で決断する人が多かったが、最近はじっくり検討する人が多い。その背景には、永住前提で短期間での売却を考えていないこと、中古マンション市場に物件が豊富にあることがある。

<東京都心(城南・城西)>
・5,000万円以下の価格帯を中心に、買いの動きは9月よりさらに改善
・動きが鈍かった7,000万円以上物件、ベイエリアマンションも動きが出始めた。
・下落傾向にあった相場も横這いに推移しそう。
・ただし、レインズのデータでは8月の売り物件在庫数は前年同月比30%越えと高水準。
・震災前の相場で売るのは難しく、震災以降の新相場で価格設定しないと全く動かない。
・永住志向になりつつあるため、(同一マンションでも)マンションの部屋によって価格差が大きくなっている。

■11月号
<全体感>
・例年中古マンション市場の秋のピークは9月だが、今年は10月の方が盛り上がった。震災の影響を脱したのではと感じる。
・都心ベイエリアでも取引件数が増加
・価格の下落が大きかった都心ほど改善
・取引件数は増えたが、それ以上に新規売りだし件数が増え、供給過多に変わりはないため、しばらく買い手主導の市場と予測される。景気動向次第で、価格の調整が進む(=値下がりする)可能性大と感じる。

<都心(城南地区)>
・港、品川区のベイエリア中古マンション市況はかなり回復。7,000万円越の高額物件も取引が増えてきた。
・内陸部の中古マンションは4,000万円以下の動きが中心、予算の低額化が見られる。

■12月号
<全体感>
・旧耐震マンションは売却に苦戦傾向。特に、郊外は都心よりも旧耐震と新耐震の流通価格差が大きい。
・平成23年4月に「東京都における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進する条例」が施行され、緊急輸送道路に接する旧耐震マンションは来年4月以降耐震診断実施を義務付けられた。診断で耐震基準を満たさないことが明らかになれば、流通価格に影響する可能性が高い。

<都心(城南地区)>
・回復傾向が顕著な港・品川区ベイエリアの中古マンション市況は、今月も引き続き購入希望問合せが多く好況。震災後に津波や液状化が懸念され急速に冷え込んでいたため、他の地域より価格の下落が進み、割安感のある物件が増えたため。
・同じ都心でも、価格下落幅が比較的少なかった内陸部は購入希望問合せが少なくなり、市況も悪くなりつつある。
・城南地区全体での中古マンション相場は、今後さらに価格下落が進みそう。内陸部はベイエリアに比べ割高感があり、下落幅がさらに大きくなることが懸念される。




11月から12月上旬にかけて、湾岸地域だけでなく、港区内の山手線内側エリアでも以前より顕著に価格が下がってきたと感じていたが、この「不動産市況情報」を見ても、城南地区内陸部については月を追うごとに弱含んだ内容になっている。
新築マンションも、最近は以前に比べて明らかに価格が安く設定されていたり、震災前に分譲されて売れ残っているものが値引きされたりして、場所によっては2000年代前半と同程度の価格になっているように感じる。
それも中古マンションの価格下落の要因だと思う。

マンション購入を検討する身としては、値下がりした方が買いやすいのだが、もう少し待てばより良く安い物件を見つけられるのではと思ってしまい、動きづらくもある。
ただ、マンションならどこでも良いということはないわけで、港区内でもこのエリア、このマンションと狙いを定め、その中で粛々と検討を進めるべきなんだろう。
そうは思いつつ、なかなか動けない。
一昨年あたりも同じように考えた気がするが、来年あたりには購入できたら良いなあ、と思う。
タグ:相場情報
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posted by さるうさぎ at 21:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 雑誌記事・その他 |edit
この記事へのコメント
 明けましておめでとうございます。今年も楽しみに拝見させていただきます。

 何日か前に見たんですが、報道によると、千葉では昨年人口減少に転じ、東京でも2020年からは人口減少に転じるとのこと。
 中長期的にこのような展望があり、また日本経済の先行きや災害の恐ろしさが再認識されたこと等も考えると、特定の地域・時期に一時的に不動産価格が上がることがあっても、トレンドとしては、右肩下がりのような気がします。

 そうなると、その時の家族構成にあわせて、適当な間取り、場所で賃貸するのが本当は合理的な気もしますが、自宅を買うのはそういう経済合理性だけで割り切れないところもありますしね(やっぱ、賃貸と自分のものだと違う気がします。私の考えが古いのかもしれないけど(笑))…

 書かれているように、粛々と検討し、特定のエリア、マンションに狙いを定めて、もしそこそこの価格(ここが難しいんでしょうけど)で、出たら、縁と思って、上がるとか下がるとかあまり考えず、迷わず買うのがいいのかなと思います。

 私の場合はまず、帰任してからですが。
Posted by 呼家 at 2012年01月11日 19:21
呼家さん、あけましておめでとうございます。
コメントいただきありがとうございます。

私もそのような新聞記事を目にしました。
まったく同感で、全体的には右肩下がりなんじゃないかと思います。

ただ、同じ記事で、東京の世帯数はそれから(確か)5年後まで増え続けるとか、元々2003年頃に推計していた都の人口のピークは(確か)2015年だが、タワーマンションが増えるなどで予想以上に人口流入が進んで、現在はその推計ピーク人口をすでに越えているということも書いてありました。

全国平均を出せば右肩下がりになる(なっている)のだと思いますが、東京に関しては実際いつ頃から値下がり傾向が顕著になるのか、さっぱり分からないとも思います(もう何年も前から、今後は値下がりするだろうと思っていましたが、実際あまり下がっていないので・・・)。

おっしゃるとおり、理屈では賃貸に住むべきということになるのかもしれませんが、やはり借りるのと持つのとは違いますよね。
いい物件に出会えたときに、迷わず買えるよう、準備を整えておきたいところです。
Posted by さるうさぎ at 2012年01月13日 01:41
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