価格さえ安ければ・・・と思っていたがそんなわけもなく、プレミアム住戸だからか、かなり高額。
【概要】
売主は丸紅、施工主は前田建設工業の新築マンション。
竣工時期は平成26年3月下旬、入居は平成26年4月下旬で、プレミアム住戸第一期の登録受付が10月5日(土)とのこと。
数ヶ月前に送られてきた資料では、8月上旬販売開始予定となっていたので、当初予定より後ろ倒しになっている。
総戸数は108戸で、地上8階地下1階建て。
専有面積は、全体で見ると41.69u〜131.1uと幅があるが、今回のプレミアム住戸第一期登録受付の対象になっているのは96.91u〜130.53uの10戸で、価格は1億5,600万円〜2億7,500万円となっている。
単純にそれぞれの上限、下限同士で計算すると、平米単価で約161万円〜211万円、坪単価で532万円〜696万円ということになる。
今回の10戸に関しては、管理は月額で38,600円〜52,000円、修繕積立金は同12,410円〜16,710円。
その他インターネット接続料金が月額1,418円、ハウスクリーニング費が同500円、オプティキャスト施設利用料が同420円とある。
ハウスクリーニング費というのが何を指すのかチラシには書かれておらず、ホームページでもコンシェルジュサービスの一例としてハウスクリーニング紹介と書かれているのみ。
もしハウスクリーニングをしてくれて月額500円なのだとしたら、月に一度の掃除だとしても、価格からしてサービス内容は限られるように思われる。
【立地】
マンション名はグランスイート広尾だが、住所は港区南麻布4丁目。
最寄り駅は広尾で、徒歩6分。
交通量の非常に多い外苑西通り、明治通り(及びその上を走る首都高)が近いが、どちらからも100メートル以上離れているので、かなり静かな場所。
周辺にはフランス大使館やドイツ大使館、米軍施設であるニューサンノーホテルや、外国人受けのスーパー、ナショナル麻布があったりと、かなり欧米人の多い地域という印象。
実際、港区内の公園としてはかなり広い有栖川公園も歩いて6,7分の距離にあるが、土日に遊びに行くと遊具スペースで遊んでいるのがほぼ全員外国人ということもある。
グランスイート広尾から明治通りに出たあたりから外苑西通りへかけても、ニューサンノーホテル利用者とおぼしき外国人が歩いているのをよく見る。
ただ、高級感があるかというと、あまりグランスイート広尾周辺はそういう感じでもない。
個人的には、このあたりではもう少し高台の北東側が一番良いところなのではないかと思うが、そうすると駅から遠くなってしまう。
有栖川公園からも駅からも近いという面では良いと思うが、古川や首都高から少し近く、前面道路も細いので、少し薄暗い印象でもある。
【間取り】
折り込み広告には、803号室(3LDK+WIC+SC、128.54u、2億7,500万円)と702号室(3LDK+WIC+SC、111.47u、1億9,000万円)の間取り図が載っている。
どちらもルーフバルコニーがあり、洗面室は2ボウル、浴室サイズは1822となっている。
床暖房もどちらもLDとキッチンのみ。
2億円前後以上のマンションとしては、床暖房がLDとキッチンのみというのは物足りなく感じる。
また、どちらもトイレの数は1つだが、128uでプレミアム住戸なのであれば、トイレは2つあっても良いように思う。
どちらの間取りも、LDや主寝室の角に柱が出っ張っている。
主寝室とその次に大きい洋室が間仕切りで隔てられているだけで隣り合っているのも気になる。
間にクローゼットを作るなどして、プライバシーに配慮することもできたのではないだろうか。
111uの方は、LDがL字型(正方形の左上が洋室で切り取られた形)をしており、少し使いづらそうにも見える。
いっそのことリビング左上に隣接する洋室はなくして、大きなLDにした方が良いのではと思う。
ひどい間取りだとは思わないが、プレミアム住戸というのにふさわしい間取りともあまり思えない。
【共用施設など】
物件概要欄には、駐車場56台、駐輪場189台、バイク置き場17台と記載されている。
仮に1住戸1台としても、総戸数のほぼ半分は駐車場を使えないということになる。
それに対して駐輪場は各戸2台近く使用することができ、余裕があると思われる。
バイク置き場もかなり多い印象を受ける。
専有部内については、ホームページを見るとディスポーザーの他、バスルーム天井に備えられたオーバーヘッドシャワー水栓が目をひくが、それ以外特筆すべきものはないように思う。
【周辺相場】
最近の新築マンションとしては、フランス大使館旧館跡地のプラウド南麻布がある。
グランスイート広尾とは直線距離で100メートルも離れていない。
定期借地権マンションなので単純比較はできないかもしれないが、プラウド南麻布はたとえば6階の130.09u住戸が2億9,000万円だったり、同じく6階で117.14uの住戸が1億7,200万円といった価格設定だった。
60年の定期借地権でもこの価格なわけだから、グランスイート広尾は見方によっては割安なのかもしれない。
ただ、プラウド南麻布は東側にフランス大使館の緑を望み、眺望が全然違うため、比較は難しい。
また、プレミアム住戸という意味では前述の住戸が比較対象と思われるが、プラウド南麻布も低層階では2階の88.01uが7,900万円といったものもあった(いずれも東向き)。
また、定期借地権ではない所有権マンションとしては、より有栖川公園に近い立地でウェリス有栖川もある。
総戸数57戸に対して5戸が売れ残っており、先着順販売中となっている。
4階の117.54uが1億9,800万円なので、今回の702号室にかなり近い価格。
ただし立地面では駅や公園、ナショナル麻布により近いので、グランスイート広尾よりも良いと感じる。
免震構造である点でもグランスイート広尾とは違う。
【所感】
価格さえ安ければ気になるマンションだったが、この価格では自分は到底買う気になれない。
マンション価格が上昇傾向と言われてはいるが、ここまで高いとは思わなかった。
しかも今回の住戸は専有面積こそ広めではあるものの、間取り図を見る限りそこまでプレミアムな感じもしない。
駐車場が少なく、駐輪場が多いことからも、あまり富裕層向けではなく、高給共働き会社員などが対象かと思っていたが、少なくとも今回のプレミアム住戸は会社員向けではなさそう。
41uの住戸もあるわけだし、低層階は今回ほど高くはないと思われるが、同じマンションの中で価格差が大きくなるのもあまり良いことだとは思えない。
なんだかどっちつかずのような、少し中途半端な印象を受けた。
グランスイート広尾 所在地(中央赤の目印)
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