パークホームズ南麻布ザレジデンスと言えば、今年の10月に完成したばかり(今回のチラシでは平成25年9月築となっているが、分譲時の公式ホームページでは同10月下旬竣工予定となっていた)で、今頃入居が始まったばかりの新築物件。
総戸数は336戸と非常に多く、その規模のマンションで引き渡し後すぐに売りに出たり、賃貸に出たりすること自体は珍しいことではない。
どのくらいの比率かはまちまちだろうけれど、ある程度の規模の新築マンションであれば、投資用というか、分譲時より高く売ってキャピタルゲインを稼ごうとする人はある程度いるとは思う。
ただ、今回のチラシに掲載されている物件価格については、かなり高額で驚いてしまった。
掲載されている物件は、6階の73.34u住戸と、3階の71.85u住戸で、どちらも築後未入居のもよう。
73.34uの方は7,380万円、71.85uの方は6,880万円となっている。
専有面積と価格、そして南麻布というアドレスだけをみると、全然割高ではないが、パークホームズ南麻布ザ・レジデンスの敷地は所有権ではなく、約51年の定期借地権。
51年後の、平成76年9月14日までに更地にして返さなければいけないということなので、解体期間も考えると実質住めるのは50年程度。
そして、立地についても最寄り駅の麻布十番から徒歩7分と若干遠く、南麻布でありながら高台でもなく、幹線道路に直接面してはいないものの、すごく環境の良い場所というわけでもない。
そういった事情から、分譲時は71.85uが5,600万円台〜、72.50uが6,000万円台〜、73.43uが6,100万円台、といった価格設定だった。
パークホームズ南麻布ザ・レジデンスを紹介したインターネットの報道を見ると、坪単価280万円と書かれているものがあるので、階によっても違うだろうが分譲時坪単価は260万円前半〜300万円程度だったのではと思われる。
今回売りに出ている物件の坪単価を計算してみると、73.34uの方は333万円、71.85uの方は317万円。
価格を見ても、分譲時よりもかなり高いのではと感じる。
インターネットで色々調べていると、分譲時の価格表情報を掲載しているサイトがあり、それによると73.34uの方は5,950万円、71.85uの方は5,810万円となっていた。
価格表の原本コピーが載っているわけではなく、数字だけが書かれているので、本当にそうだったのかは分からない。
ただ、14階建てのパークホームズ南麻布ザレジデンスの中で、今回の住戸はどちらも所在階が真ん中より下の階であることを考えると、大きく間違っていることはなさそう。
(自分が分譲時のチラシで見た価格帯の73.43uが6,100万円台〜という数字と比べると、今回の73.34u住戸が5,950万円というのは少し安いようにも感じるが、73.43u住戸は南向きのようで、今回のチラシに載っている73.34u住戸は北向きなので、これぐらいの価格差はあってもおかしくない。)
この分譲時価格が正しいとすると、73.34u住戸は分譲時より1,430万円、比率で言うと24%高く、71.85u住戸は分譲時より1,070万円、比率にして約18%高い価格で、今回売り出されていることになる。
ここまで分譲時より高い価格設定とは思わなかったので、驚いた。
しかも仲介会社は中古マンション仲介で最大手と思われる三井のリハウス。
販売価格は売主の意向で決められるとは言っても、あまりにも非現実的な価格を売主が提示するようなら、仲介が話して適正水準に近い価格に誘導すると思う。
(とは言ってもパークホームズ南麻布ザ・レジデンスは同じ三井グループの三井不動産レジデンシャルが分譲主だから、少し価格を高めにするというのはあるのかもしれないが。)
新築の販売開始から1年前後程度、しかも定借マンションで、価格が2割前後も高く売れるのだとしたら、これはもうほとんどバブルなのではないか。
分譲時が割安な価格設定だったのだから、それと比べても意味がない、という向きもあるかもしれない。
だが、パークホームズ南麻布ザレジデンスはなぜか今も公式物件概要ページが残っていて、それを見ると今年の8月頃まで販売をしていたように見える。
販売が絶好調だったとまでは言えず、分譲時価格がそう割安だったとも思えない。
もっとも、ドル換算で考えると、昨年まで1ドル80円程度だったものが今は1ドル100円台なわけで、ドル換算だと73.34u住戸の分譲時(申込時)価格は1ドル80円として743,750ドル、今回の販売価格は1ドル100円とすると738,000ドルで、むしろ安くなっていると見ることもできる。
外国人からすると、今回の価格も十分リーズナブルなのかもしれない。
いずれにしても、今回の発売住戸がどれくらいの期間で成約するのかは非常に興味がある。
(これがすんなり成約するようだと、土地所有権の中古マンションを中心に考えている自分としてはますます購入が遠のきそう・・・。)
今回のチラシを見ていてもう一つ気になったのが、管理費が平成26年4月から値上がりする予定と書かれていること。
値上げは比率で言うと3.6%程度の値上げなので、時期と率から察するに、消費税増税関係と思われる。
自分のところではそんな話は出ていないなと思って調べてみると、マンションの管理費は消費税非課税扱いのようだが、住人から集めた管理費で支出をするときは増税の影響で今までより費用が高額になるだろうから、管理費を値上げするというのは健全なことかもしれないとも感じた。
今回のチラシはそういった観点でも色々考えさせられた。
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パークホームズ南麻布ザ レジデンス
パークホームズ西麻布、拝見しました。
パークホームズ繋がりで、、、
最近、港南エリアでパークホームズや、ハーバーテラスが分譲されてますが、お時間あるときご意見聞いてみたいですね。
よろしくお願いします♪
港南エリアでそういったマンションが分譲されているとは、全然知りませんでした。
港南地区など、埋め立て地のマンションは購入しないことに決めていまして・・・。
ただ、山手線内側あたりでも新築はあまり興味を持てるものがないので、時間があったら港南のマンションも後学のためにちょっと調べてみたいと思います。
そうだったんですね。
公式ホームページに、販売価格や、モデルルーム公開中というような記載が残っていて、情報更新日が今年の8月29日になっていたので、その頃まで販売していたのかと思い込んでいました。
教えて頂き、ありがとうございます。
個人的には、この立地で定期借地権ということを考えると、とても安いとは今でも思えません・・・。
ただ実際売れているというのは、これを安い、あるいは価格に見合った価値があると考えている人が大勢いるということでしょうから、自分の感覚が周囲とは違っているのでしょうね。
景気が良くなるのは良いことなんでしょうけれど、マンション価格については2000年代前半頃の相場に戻って欲しいなあと個人的には思います。
確かに、中古で売りに出ているパークホームズ南麻布レジデンスの物件情報を見ると、「価格には前払地代○○円を含む」といった記載があります。
ただ、ここは分譲時の価格にも前払地代が含まれていたはずなので、そこにさらに前払地代を上乗せすると、二重に計上することになってしまいます。
今では72.52u住戸が8,190万円、80.83u住戸が9,680万円で売りに出ているようですが、どちらも分譲時より2,000万円以上高い価格のようです。
純粋にマンション価格が高騰しているということだと思います。
物件をチェックしていましたら、
パークホームズ南麻布がでてきたのでお邪魔しました。
専有面積72.52u 7,980万円
さるうさぎさんが4月に書かれた物件と同じものかは分かりませんが
依然として強気ということでしょうか。実に勉強になりました。
いつもありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
パークホームズ南麻布の中古物件は、今も時々見かけるますが、やはり分譲時よりはけっこう高めな価格になっていますね。
定期借地権のマンションですから、時間が経てば確実に価値も減っているはずなのですが、残存期間に比例して価格が安くならないのが不思議なところです。
(新築も中古も、他のマンションは総じてかなり値上がりしているので、それを考えればこれでも残存期間が減っただけ安くなっているのかもしれません。)
マンションを買うにはなかなか厳しい時代ですね。