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2014年05月06日

プラウド白金台三丁目

5月3日の新聞朝刊に、プラウド白金台三丁目の折り込み広告が入っていた。
今年の2月には物件公式サイトができていて、そのときから少し気にはなっていたが、今月下旬からモデルルーム事前案内会開催、来月6月)中旬から販売開始ということらしい。

【概要】
名前の通り野村不動産のプラウドシリーズ。
地上5階建てでありながら、総戸数は83戸、専有面積も70.00〜100.83uと、低層マンションとしては比較的規模が大きい。

敷地面積も3,764.46uと比較的大きいことが、敷地の権利は70年の定期借地権(地上権)ということで、購入者に土地所有権の持分は一切無いことになる。
チラシには「定期借地権(地上権)」とあり、物件公式ホームページには「定期地上権」と書かれているが、期間満了後に取り壊すとはどこにも書かれていない。
地上権の方が借地権よりも権利として強い、と聞くが、ネットで調べてみると、定期地上権の場合は必ずしも解体義務はなく、取り壊しにせずに土地を買い取って継続したり、建物を土地所有者に有償又は無償で譲渡することが可能、という情報もあった。
最初からどうするかが決まって入れて変更できないのであれば良いが、選択肢があるとなると、住民の意思決定が難しそうな気もする。

引き渡しは平成27年9月下旬とあるが、なぜか建物完成時期についてはチラシにも公式ホームページにも書かれていない。
決まっていれば当然書くべき情報だと思うが、それが書かれていないというのは、少し不安を感じる。

設計・監理、施工は竹中工務店。



【立地】
チラシには大きく白金台駅徒歩3分と書かれている。
住所は、プラウド白金台三丁目というマンション名の通り白金台三丁目で、地図を見ると白金台三丁目6番のブロック全体が敷地になっている。
白金台駅からは、1番出口を出て、20メートルほど目黒通りを歩いた後、一方通行の細い道を歩いた先にプラウド白金台三丁目の敷地がある。
この道はかなり細く目立たない道で、このあたりに住んでいる人しか通らないと思う。
車の交通量も少ないと思う。

白金台駅周辺は、マルエツプチ、東急ストア、今年オープンしたいなげやと、スーパーが3つもあり、その他にもツルハドラッグとココカラファイン(昨年閉店したブックオフ跡地にオープン)、100円ショップ、レンタルビデオのゲオがあるなど、港区内では買い物の便が非常に良い場所の一つ。
港区はJRの駅周辺を除くと本屋があまりなく、以前まであったブックオフは希少な存在だったが、閉店は残念。

白金高輪方面に行く途中には八芳園や都ホテルがある。
どちらも庭園があり、特に八芳園の庭園は散歩すると気持ちが良い。
目黒方面に行く途中には広大な土地の自然教育園があり、入園料310円がかかるが、自然を満喫することができる。

プラウド白金台三丁目の近くには白金台幼稚園や白金小学校などもある。
駅から近くて買い物も便利で高台で静かな住宅街。
周辺環境が良く、住みやすい場所ではないかと思う。

【間取り】
チラシには85.43uの85Nタイプ、101.01uの100Kタイプが、公式ホームページにはこれらとは別に91.49uの90Rタイプが載っている。
いずれも3LDK。

全体的に、間取りは庶民的な感じというか、超高級マンションで見られるような余裕を持たせた間取りではない。
ひどい間取りだとまでは思わないが、個人的には良い間取りという印象ではない。
専有部分の仕様の詳細は分からないが、チラシに掲載されている床暖房範囲は85Nタイプ、100Kタイプともにリビングのみ。
床暖房の範囲について言えば、港区のマンションとしてはグレードは高くなく、普通の仕様といったところだろうか。

85Nタイプは、東・西に開口部があり、リビングと6帖の寝室が東側、7.5帖の主寝室と5.0帖の寝室が西側にある。
専有部内で廊下面積がかなり小さく、デッドスペースが少ない。
収納もシューズインクローゼット、2つのウォークインクローゼット、0.9帖の納戸など、そこそこ充実しているように見える。
洗面室はL字型をしており、やたらと広い。
洗面台はツーボウルが十分設置できるスペースがありそうに見えるが、ツーボウルではない。
浴室サイズは1618。
チラシの図では、台所のガスコンロが3口ではなく2口になっているが、公式ホームページでは3口になっているので、これはチラシのミスだと思われる。
主寝室と5帖の寝室が間仕切り1枚のみで仕切られているところと、部屋のドアとクローゼットの扉が干渉する箇所が2箇所あるのが気になる。

100Kタイプは田の字型プランに近いような、縦型の間取りで廊下が長い。
東南角部屋だが、なぜか東南角付近で東側に窓が少なく壁になっている。
建物全体の角ということでもあり、低層マンションということもあって、耐震性確保のためにここには壁が必要なのかもしれない。
おかげで6帖の寝室には小さめの窓(しかも外側に少し開くだけのもの)が一つあるのみ。
主寝室と5.6帖の寝室には東側バルコニーに面するサッシがあるが、この2部屋は間仕切り1枚で隣接している。

90Rタイプは、寝室3部屋が並んで配置されていて、いずれも間にあるのは間仕切り1枚のみ。
しかも主寝室以外の2部屋(5.0帖と5.3帖)は開口部が北側で、窓がかなり小さく、外側に少しだけ開くタイプ。
これでは室内は相当暗いのではないかと思う。
シューズインクローゼットやウォークインクローゼット、納戸があり収納はそこそこあるようにも見えるが、この間取りも部屋の扉とクローゼットの扉が干渉するところがある。

【周辺相場】
目黒通り近くでは、朝日白金台マンションを時々チラシで見かける。
ここは敷地の大半が借地権(定期借地権ではなく普通の借地権)なので、立地だけでなく土地権利もプラウド白金台三丁目に近いと思う。
ただし専有面積は30u台から120u台まで幅広く、築年月も14年近い。
分譲時の平均坪単価は平均267万円だったようだが、2008年に81.69uが8,280万円で売り出されていた。
今年は33.41uが2,980万円で売り出されていたもよう。
賃貸の募集が複数件出ているが、45.09uで賃料月額15.8万円(管理費込)など、駅徒歩1分の割には賃料は安め。

土地が所有権のマンションでは、パークハウス芝白金台が立地としては近い。
ここは藤和不動産と合併してできた三菱地所レジデンスの前のパークハウスシリーズで、高級な雰囲気のマンション。
築16年近くになるが、今も118.88uが1億4,850万円で売り出されている。
今より相場の安かった2010年でも、93.71uが1億1,110万円で売り出されており、坪単価390万円強。

【所感】
駅から近く、住みやすい場所でありながら、静かな環境で高台ということで、立地は良いと思う。
その反面、間取りは今ひとつだし、敷地全体を公道に取り囲まれているため、どの住戸も車道に面した部屋がある。
静かな環境とは言え、人や車が全く通らないわけではなく、窓を開けているとかえって外の音が気になるかもしれない。

土地権利が定期地上権ということなので、その分割安な価格で売り出されるのであれば、非常に良いマンションだと思が、チラシについている資料請求はがきのアンケート欄を見ると、かなりの高額物件を目指しているように見える。
というのも、「ご予算についてお聞かせ下さい」の選択肢は、「〜8,000万円」で始まり、次が「〜10,000万円」、その後1,000万刻みで1億6,000万円まで選択肢が並び、その後が「〜20,000万円」と「20,000万円強」。
専有面積が70〜100.83uであることを考えると、100uの部屋は2億円近い価格の住戸もあるのかもしれない。
いくらなんでも、土地権利が所有権でもなく、仕様が超高級なわけでもなさそうなのに、その価格だとすると高すぎる。

価格以外でも、チラシやホームページで気になるところも多い。
高台であることを示すために「白金台・高輪エリア周辺断面イメージ図」が掲載されており、海抜約8メートルの品川駅に比べ、現地は海抜約29.5メートルとあるが、なぜか図ではプラウド白金台三丁目が品川駅周辺の高層ビル最上階と同じぐらいの高さにあるように描かれている。
海抜の差は21.5メートルであり、ビルの階数で言えば7階分ぐらいしかないのに、まるで品川の高層マンション最上階と同じぐらいの高さであるかのように見せかけており、良い感じはしない。
(小さく「高低差をイメージしたもので実際とは異なります」とあるが、注釈をつければどのような絵を描いても良い、と考えているのだろうか。売れるためなら法に触れない限り何をしても良い、という企業としての姿勢の現れと感じる。)

また、前述の通り、チラシの間取り図では85Nタイプでガスコンロが二口になっている。
公式ホームページの物件概要欄には、「平成26年2月13日(木)〜3月3日(月)まで、当サイトにて最小専有面積を70.07uと表示しておりましたが、70.00uに変更となりました。」と書かれていたり、なんだか資料などにミスや訂正が多いのは、工事ミスが掲示板での書き込みから発覚し取り壊しとなったザ・パークハウスグラン南青山高樹町と似ている(高樹町ほど資料のミスは多くないが)。

建物完成時期が書かれていないことについても、なぜ書かないのか不思議だし、なんだか嫌な予感がする。
(SUUMOでは完成時期が2015年7月上旬予定と書かれているが。)

販売予定も、2月中旬時点で公式ホームページでは5月下旬販売開始となっていたが、6月中旬へと後ろ倒しになっている。
当初のスケジュールに無理があり、準備が間に合っていないのでは、とも考えられる。

こうしたこともあり、プラウドシリーズ自体は、最近の高級マンションの中では評判が良いように感じていたが、今回のプラウド白金台三丁目については、あまり良い印象を受けない。

野村不動産は、プラウド白金台三丁目と同じぐらいの戸数で、定期借地権でありながら比較的高額なプラウド南麻布(2012年販売開始)を入居前に売り切ったが、今回も順調に売れるのだろうか。



プラウド白金台三丁目 所在地(中央黄色の目印)

より大きな地図で 港区マンション探検記 を表示

[2014年6月16日 追記]
6/14の土曜日に新聞折り込みで入っていた広告に、小さく「前回5月3日掲載紙にて、100Kタイプの専有面積を101.01uと表示しておりましたが、正しくは100.70uの誤りでした」と訂正が書かれていた。
やはり何だかチラシの記載ミスが多い。
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posted by さるうさぎ at 22:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 白金・高輪の物件 |edit
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