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2014年06月07日

JR山手線の新駅が正式発表

かなり前から、JR山手線の品川駅-田町駅間に新駅ができるとマスコミの報道などで言われていたが、JR東日本からの正式発表はないままだった。
それがようやく正式発表された。

といってもプレスリリースの内容はA4 3枚で、うち2枚は新駅の場所や創出される用地の地図、新駅のイメージ図で、新駅の計画について書かれているのは最初の1枚だけ。
そこから分かるのは、

・2020年の東京オリンピックに会わせて暫定開業する予定
・東海道線上り、山手線、京浜東北線の線路は東側に移設
・新駅前には2階部分に広場を設置
・車両基地の敷地から創出される約13ヘクタールの大規模用地でまちづくりの検討が進行中
・駅名は未決定

といったところ。

新駅設置の経緯について、プレスリリースにはほとんど書かれていないが、『山手線に新駅ができる本当の理由』(市川宏雄 著)に詳しい。
それどころか、今回発表されたスケジュールについても同書で書かれている通りであり、今回のプレスリリースにあまり真新しさはない。
とは言え、いままで非公式に言われていたものがようやく正式に発表された、という安心感はある。

 

個人的に気になるのは、駅名が何になるのか、新駅周辺でどのような開発がされるのか、そして周辺のマンション価格がどうなるか。

駅名についてプレスリリースは言及していないが、新聞報道では現時点で未定、公募も含めて検討とか、地名や歴史などを勘案して決める、とされている。
インターネットで見ていると、落語好きの人が多いのか、芝浜を押す声が目に付くように感じるが、個人的には「高輪」などの方が良いのではないかと感じる。
新駅が設置される場所の住所は高輪ではないが、品川駅も品川区ではなく港区高輪にあるわけだし、今回の新駅も駅を出てすぐ、第一京浜近くまで行けば高輪なのだから、高輪でもいいのではないか。
最寄り駅が芝浜というよりは、高輪と言った方が響きとして良く、周辺のマンションの資産価値も上がりそうな気がする。

どのような開発がされるかも、プレスリリースでは「まちづくり計画の詳細については、別途お知らせします」と書かれているだけで、現時点ではまったく分からない。
東洋経済オンラインの記事には「1年程度の時間をかけて行政機関などと協議を進めながら、道路などの都市計画の素案を作っていく方向」と書かれており、概要が分かるまでにはまだ少し時間がかかりそう。

前掲の『山手線に新駅ができる本当の理由』には、品川駅東口(港南側)の再開発について、ビルを2列作って真ん中に道が通っているだけで、閑散とした光景が目に付き、成功したとは言いがたいとし、その上で山手線新駅周辺の開発では品川駅東口再開発の時のようなオフィスの床面積確保に専念するような開発は止めて欲しい、といったことが書かれている。

自分もまったく同感で、品川駅は高輪口はいつも多くの人が行き交っているのに、港南口は平日はIT系を中心としたサラリーマンが多く目に付くが、土日ともなるとかなり人通りは少ない。
高輪口には品川プリンス・高輪プリンス、グースや高輪ウィングといった商業施設に行くことが時々あるが、港南口で自分が降りたのは、記憶のある限りレインボーバスでお台場に行った時と、イオン品川シーサイドまでのシャトルバスに乗ったとき(これは駅からバス停まで遠いので、一度利用したきり)ぐらいで、まず行くことはない。
今回の新駅が同じようになってしまうのはぜひ避けて欲しい。

周辺のマンション価格はどうなるのだろうか。
港区内にある山手線の駅は、今は品川、田町、浜松町、新橋の4駅だが、いずれも駅のすぐ近くにはあまりマンションはないように思う。
田町駅では、徒歩4分で線路沿いにカテリーナ三田タワースイートがあるが、浜松町、新橋周辺にはそもそも分譲マンション自体が多くなく、あっても徒歩10分近く(思いつくのは新橋駅徒歩8分の東京ツインパークス)。
品川駅も、同駅を最寄り駅とするマンションは多いが、駅徒歩10分前後かそれ以上のものが多い。
そして品川駅からの距離が同じでも、埋め立て地である港南側か、高台である高輪4丁目側かで価格は大きく異なる。

今回の新駅予定地は都営浅草線の泉岳寺駅に近いが、その泉岳寺駅付近の分譲マンションは、今のところ港区内の内陸側(山手線の内側)では恐らくもっとも価格が安いエリアだと思う。
最近ではパークコート高輪ヒルトップレジデンスのように、他のエリアと同程度の価格で分譲され、中古でも高価格で売り出されているマンションもあるが、それ以外は相対的に安いマンションが多い。
交通量が極めて多い第一京浜に近く、JRの線路にも近くてうるさいことや、第一京浜のあたりが元々の海岸線ということで、地盤があまり良くないと思われること、泉岳寺駅周辺に商業施設がほとんどなく、日常の買い物をするのにもいちいち坂道(伊皿子坂)を上がってピーコックまで買い物に行かなければならず不便なこと、などが理由ではないかと思う。

今回の新駅ができると、まず線路はもっと海側に移設されて、泉岳寺駅周辺は今より(電車の音は)静かになり、JR山手線が利用できるようになることで交通利便性も高まる。
周辺にスーパーなどもできるかもしれない。
便利にさえなれば、湾岸の埋め立て地に大勢の人が住むぐらいなのだから、地盤のことはそんなに問題にならないと思う(少なくとも埋め立て地より今の泉岳寺駅周辺の方が地盤は良いだろうから)。
開発の内容次第では、評価ががらっと変わるような気がする。

ただ、第一京浜の交通量が減るわけではないだろうから、第一京浜沿いのマンションは騒音や空気の悪さの面がデメリットとして残る。
その一方で、泉岳寺駅周辺の高輪2丁目は、第一京浜から一歩入ると意外なほど静かで、特に泉岳寺駅から泉岳寺のお寺に向かって歩き、山門の前で左に曲がった道路は一方通行で交通量も少なく、第一京浜沿いに並ぶビルが防音壁の役割を果たし、かなり静かに感じる。
そしてこのあたりは分譲マンションも数多く存在していて、しかも安いものが多い。
老朽化したマンションも散見され、これらの建替えも促進されるかもしれない。
(港区は来年を目処に建物の高さ制限を新たな規制として導入する予定だが、その施行から3年後までに建替えを決議して区に届け出れば、高さ制限は適用せず建替え案の内容で認めるといった特例が設けられる予定のため、建替えのハードルが低くなるわけではないが、建替えるならそれまでにやろう、という動きもあるかもしれない。)

高輪2丁目の奥まったマンションで価格が上がり始めれば、第一京浜沿いのマンションにも波及して、全体的に価格が上がっていくのではないかと思う。
ただしこれも再開発の内容次第。
最近の港区内の新駅では、麻布十番駅や白金高輪駅などが思い浮かぶが、白金高輪駅について言えば、駅ができてもしばらくはマンション価格はそう高くならず、白金タワー敷地内のアエルシティ(クイーンズ伊勢丹や医院、飲食店)ができたことで価格が高くなっていったように思う。

駅名についても、白金高輪駅は元々清正公前になる予定だったが、もしそのまま清正公前となっていたら、今よりマンション価格は少し安かったかもしれない。
(「白金高輪」というと高級なイメージを受ける人が多いが、これが清正公前だと、イメージも大きく違ったと思う。)

駅名と再開発の内容はかなり気になるところだが、できれば高輪2丁目付近だけでなく、そのさらに周辺までイメージが良くなるような、良い計画にして欲しい。

 

JR山手線新駅の大まかな設置予定地(地図中央の塗りつぶし部分)
より大きな地図で 港区マンション探検記 を表示
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posted by さるうさぎ at 00:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌記事・その他 |edit
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