新聞などを見ていても、新築マンションの年間供給戸数はリーマンショック直後の2009年以来の低水準になりそうだ、といった報道もあるので、全体的に少ないのだろう。
新聞記事では、消費税増税前の駆け込み需要に対する反動と、マンション価格上昇による市況悪化を原因として挙げていることが多いと思うが、個人的には「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」での欠陥マンション問題を皮切りに、建築中の新築マンションでいくつか発覚した欠陥工事・工事ミスの問題、要は人手不足による品質への不安もあるのではないかと思う。
そんな中で、パークコート赤坂桜坂の資料請求が始まっていたので、申し込んで資料を入手した。
予告広告なので、価格に関する情報はないが、見るからに高そうなマンション。
【概要】
売主は三井不動産レジデンシャル。
パークコートは、同社のホームページを見ると「都市型ハイグレードマンションシリーズ」とされていて、「最高級マンションシリーズ」の「パークマンション」よりは下だが、「パークホームズ」よりは上、といった位置づけ。
港区内では、パークコート六本木ヒルトップ、パークコート麻布十番ザ タワー、パークコート虎ノ門愛宕タワー、パークコート麻布鳥居坂、パークコート高輪ヒルトップレジデンス、パークコート高輪フォレストレジデンス、などがある。
マンションの規模は様々だが、概ね立地がよく、特にタワーマンション以外はどれも大通りに面さず、静かな場所に作られている。
今回のパークコート赤坂桜坂も、総戸数は46戸と多くないが、立地は非常に良い。
建物は地上13階、地下1階建てで、施工も設計・監理も竹中。
専有面積は62.08〜123.53u。
駐車場は26台(機械式)で、駐輪場は48台(うち2台はレンタサイクル)と書かれている。
このマンションは相当な高額になるだろうが、それでも駐車場は総戸数の半分程度しか無いというのは、少し意外な感じがする。
建物竣工は平成28年3月下旬予定、入居は同4月下旬予定。
販売開始は来年2月中旬予定となっている。
【立地】
溜池山王駅から徒歩3分、六本木一丁目駅から徒歩4分という立地。
アークヒルズの敷地にほぼ隣接しており、ホテルオークラにも近い。
大通りからは離れているので、かなり静かなのではないかと思う。
個人的には、以前までこのあたりには全然興味が無かったが、アークヒルズのさくら祭りや、それとあわせて開催されるサントリーホールのオープンハウス(子供を含め誰でも無料で入れるオーケストラ・コンサート)、週末開かれるマルシェなどのイベントがけっこう楽しく、最近は六本木ヒルズや東京ミッドタウンなどより行く機会がずっと多い。
飲食店もおいしそうなお店が多い。
比較的最近できた陳麻婆豆腐は、最近味が変わってきたような気がする赤坂見附の店舗よりもおいしく感じる。
スーパーは成城石井がアークヒルズにあるが、自分は行ったことがない。
ホームページを見ると、鮮魚は取り扱っていないもよう。
周辺にはスーパーはあまり無いが、城山ヒルズ(神谷町近く)のマルエツプチにも徒歩5〜6分でいけそう。
城山ヒルズには100円ショップのキャンドゥもある。
日常の買い物もそう不便ではないかもしれない。
ただ、白金台駅周辺などと比べると、商店は遥かに少ないし、広い公園もない。
子供がいないか、既に独立している人にとっては住みやすいかもしれないが、小さい子供を育てやすい場所ではないような気がする。
【間取り】
送られて来た資料には間取り図が8種類も同封されていた。
総戸数が46戸であることを考えると、これがほとんど全ての間取りかも知れない。
(ただしAタイプからGタイプまでの間取り図が入っていたが、Cタイプのみないので、これは別にあるのかも知れない。
)
全体的に、バルコニーが少なく、特にLDにバルコニーがついているプランはほとんどない。
(タワーマンションの間取りとほとんど同じ。)
そのため、LDの窓はほとんど開かないようで、通風面がどうなのか、少し気になる。
バルコニーがあまり無いので、部屋の内側に出っ張っている柱も多い。
70u台までの間取りでは、クローゼットを柱の横につけるなどして、うまく部屋の形が四角形になるようにしているが、それ以上の広さの住戸では柱が隅にあって四角形になっていない部屋が多い。
また、居室同士が間仕切り1枚で接しているプランが多い。
田の字型の間取りでは無いので、居室同士を離すのは難しいのかもしれないが、クローゼットを間に置くとかして、プライバシーへの配慮がされているとより良かったのではと思う。
床暖房範囲が間取り図に一切書かれていないのも少し気になる。
最近は予告広告の段階では床暖房範囲が書かれていないことが多いが、建築コスト上昇などで、なかなか早い段階では決められないのだろうか。
一方、全間取り図に、居室ごとの天井高が書かれており、面白いと感じた。
それも居室部分だけで無く、エントランス、ホール、クローゼットなどとかなり細かく書かれている。
一番狭い間取りでもLDは2.5メートル、最も広い間取りではLDが2.8メートル、浴室でさえ2.5メートルと、かなり天井が高い。
これは高級感があるし、室内が広く感じられそう。
また、106.52uのプランから洗面室の洗面台がツーボウルになっている。
マンションによっては、100u越でも洗面台は一つということがあるので、これもグレードが高いのではと思う。
【周辺相場】
アークヒルズ、泉ガーデン周辺は、ここ数年マンションが多く分譲されている。
同じパークコートシリーズのパークコート六本木ヒルトップ(2012年8月築)もその一つで、新築時は14階の45.61uが6,000万円台、10階の65.28uが9,000万円台、15階の75.53uが1億1,000万円台、20階の81.46uが1億2,000万円台、10階の85.96uが1億3,000万円台、20階の101.03uが1億6,000万円台、といった価格設定だった。
現在は14階の45.18uが9,580万円、3階の64.58uが1億2,000万円、の2戸が中古で売りに出されている。
また、先月頃まで26階の80.30u住戸が2億円で売り出されていたようで、いずれも分譲時よりかなり高い価格で出ている。
よりアークヒルズに近いところでは、アークヒルズ仙石山レジデンス(2012年8月築)もある。
パークコート六本木ヒルトップと同じ築年月だが、アークヒルズ仙石山レジデンスは完成後に販売されたため、販売開始はアークヒルズ仙石山レジデンスの方が1年遅い。
新築時の価格はより高額で、13階の56.59uが7,700万円、11階の67.80uが7,950万円、10階の86.15uが1億2,800万円など、六本木ヒルトップに近い価格設定だが、仙石山レジデンスは200u近いプランもいくつかあり、175.86uで3億1,200万円という住戸もあった。
中古でも現在はかなり高額になっていて、現在は10階の58.48uが1億2,400万円で売り出されており、この価格で成約するとすると、分譲時より8割ほど値上がりしていることになる。
一方、パークコート赤坂桜坂のすぐ目の前にあるSAION SAKURAZAKA(サイオン桜坂、2009年11月築)は、7階の88.01uが11,980万円と、上記のマンションよりも割安な価格で出ている。
SAION SAKURAZAKAはもともと賃貸マンションだったようで、竣工から1年ほど経ってから一部住戸で販売が開始された。
床暖房がなく(一部賃貸住戸にはある?)、管理費は高く(今売りに出ている88.01uで修繕積立金と合わせ月額約6万4千円)、墓地に隣接しているといったことが価格にも影響していると思われる。
【所感】
まだ情報があまりなくよく分からないが、送られて来た資料に同封されていたアンケートの、年収欄や予算欄の選択肢を見る限り、ほぼ全戸億ションでかなり高額なマンションになるのは間違いなさそう。
(希望予算の選択肢は18個用意されているが、最低額が1億円〜、最高は3.5億円〜となっている。)
今は新築も中古もプチバブルと言って良いほど価格が上がっているし、建設現場の人手不足で品質への不安もあるし、時期としてお買い得な時期では全くないと思う。
また、周辺には築浅マンションがいくつかあり、それぞれに特長があるので、好立地とパークコートシリーズというだけでは、あえて今高額なマンションを買おうという人は少ないのではと思うが、どうだろうか。
アジアの富裕層が買うということはあるのかもしれないが・・・。
パークコート赤坂桜坂 所在地(中央青の目印)
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スーパーですが、この辺りですとパークコート六本木ヒルトップの下にまいばすけっと、
新しく出来たアークヒルズサウスタワーに福島屋という質の高いスーパーがあります。
後は少し離れますが、六本木通りのthe 六本木東京の下に元町ユニオンがありますよ。
福島屋、言われて思い出しました。
地下通路のところの、あんまり通常のスーパーのような雰囲気ではないところですよね。
確かに福島屋もスーパーですよね。
まいばすけっとと元町ユニオンは知りませんでした。
開発が進むにつれスーパーが色々できてるんですね。
お知らせ頂き、ありがとうございました。