最近は新築マンションだけでなく中古マンションも港区内はかなり高いものばかりだが、今回の白金三光坂ハウスは平米単価で見れば安く感じられる。
立地も少し気になるエリアではある。
【概要】
専有面積が186.48uとかなり広い。
最上階(6階)に一住戸のみのペントハウス住戸で、ルーフバルコニー面積(恐らく4箇所のバルコニー面積合計)も96.97uと広い。
それに対して販売価格は1億6,000万円。
平米単価で85.8万円ということになる。
築年月は昭和60年(1985年)12月で、もうすぐ築30年だが、新耐震ではある。
総戸数はチラシには書かれていないが、ネットで検索すると33戸であるもよう。
元々の分譲は住友不動産で、施工は清水建設であるとのこと。
(今回のチラシも発行元は住友不動産販売。)
管理費は月額57,500円、修繕積立金は同15,400円。
その他ケーブルテレビ使用料が月額324円と書かれている。
管理費は単価で見てもやや高い気がするが(平米あたり月額管理費は308.3円)、チラシによると屋内機械式駐車場付き(無償)とのこと。
このあたりだと駐車場代は確実に月3万円以上するので、駐車場代が入っていると思えば管理費もかなり安く感じられる。
修繕積立金も専有面積が広い割には安い(それが良いのかどうかは分からないが)。
【立地】
名前の通り住所は港区白金(白金4丁目)で、白金台方面に伸びる三光坂沿い(坂のふもとあたり)に立地している。
三光坂は、昨年シンガポールの会社が購入したことでニュースにもなったセイコーホールディングス創業家の広大な(約1万7,000u!)土地があったり、他にも邸宅や高級マンションが多く建ち並ぶエリア。
要人が住んでいるのか、警官が道沿いに多く立っていたりするし、中にはマンション入り口近くに警官が常駐しているところもある。
片側一車線の道路はそう車通りも多くなく、閑静な高級住宅街のイメージ。
最寄り駅は白金高輪駅で徒歩6分となっている。
駅徒歩5分以内であればなお良かったと思うが、白金高輪は複数路線が乗り入れ、始発駅でもあり便利だと思う。
白金台駅も徒歩圏で、三光坂を登ることになるが、9分前後で歩けそう。
恵比寿駅も歩くと20分以上かかりそうだが、フラットな道なので自転車で簡単に行ける。
また、歩いて1,2分ぐらいで都バスのバス停があり、そこから恵比寿・渋谷・田町に止まるバスに乗れる。
白金三光坂ハウスから三光坂を下りて道を渡り、白金高輪側に100メートルほど行ったところには白金・四の橋商店街がある。
100円ショップのキャンドゥや、スーパーのホームマート四の橋、その他薬局・歯科医や、飲食店もモツ煮の有名な鈴木屋、イタリアンのタランテッラ・ダ・ルイジなど、おいしいお店がけっこうある。
飲食店は商店街だけでなく、三光坂を下りてぶつかる道路沿いにも多くある。
スーパーは白金高輪駅近くの地下にクイーンズ伊勢丹もある。
比較的静かなエリアだし、それでいて便利な場所でもあると思う。
【間取り】
5LDK+納戸という間取り。
同じフロアには他に住戸はないということで、四方角部屋という、めったに見られない間取りでもある。
チラシには、バルコニーから北〜北西方向を写した2枚の写真も載っているが、それを見る限り眺望もほぼ抜けている。
日当たりもかなり良さそう。
専有面積が186uもあるので、部屋はたくさんあるがそれでも各部屋はそれなりに広く、LDは27.3帖、主寝室は11.8帖、その他の寝室も10.1帖、7.0帖、5.7帖。
その他にStudioと書かれた5.3帖の部屋と2.9帖の納戸がある。
浴室は1つだがトイレは3つあり、そのうち一つは主寝室から直結している。
トイレ・洗面の手洗い台は全部で6つもある。
洗面室には洗濯機置き場も2つある。
子どもが4人以上いるような家族向けといった感じだろうか。
廊下面積が少し大きいのが気になるが、部屋の隅の柱は目立たないように工夫されているし、収納も多く、使いやすい間取りではないかと思う。
【周辺相場】
白金高輪駅近辺では、このあたりが一番高額なマンションの多いエリアではないかと思う。
白金三光坂ハウスのほぼ斜向かいにある、白金テラス三光坂(1998年築、総戸数17戸)は、もう7年前だが、1階の179.5uが3億3,800万円、同じく1階の180.69u住戸が3億2,500万円で売り出されていた。
もっとも、これはリーマンショック直前のプチバブルと呼ばれていた頃であり、リーマンショック後は1階の180.69u住戸が1億9,800万円で売り出されていた時期もあるもよう。
それでも、今回の白金三光坂ハウスはよりはかなり高い。
さらに三光坂を登ったところには、規模・築年数がより近い白金ハウス(1991年築、総戸数24戸)がある。
ここもリーマンショック前のプチバブル期には、261.48uで3億4,500万円と、高額で売り出されていた。
今は1階の182.1uが1億6,800万円で売り出されているが、平米単価でみると92万円で、やはり今回の白金三光坂ハウスより高い。
【所感】
築年月が少し経っているので、建物の状態がどうなのかが気になるが、そこが問題ないのであれば、かなり希少な物件だと思う。
港区内、特に山手線の内側で、新耐震でこれだけ広く、平米単価85万円というのはあまり見ないし、最上階に1住戸のみというのも珍しい。
ただ、このぐらいの築年数だと、これから価格が上がる可能性はかなり低く、何もしなければ価格は下がっていく可能性が高い。
容積率に余裕があって、建替えが容易であるなら良いかもしれないが、そうではないだろうから、リセールバリューは気にせず長く所有しようとする人が対象になるだろうか。
この近くには聖心や慶應幼稚舎があり、他にも明日から港区内で2校目の公立小中一貫校「白金の丘学園」がすぐ近くに開校するなど、学校が多いエリアでもあるので、小さい子が多い家庭にちょうど良いのでは、などと思ったりもするが、仮に自分に子どもがたくさんいて、ここを買うだけの資金があったとしても、検討するかどうか分からない。
今朝の日経新聞にも、日本は不動産取引に占める中古の割合が1割しかなく欧米と比べて極端に少ないとか、このままだとゴーストタウンがあちこちにできるというようなことが書かれていたが、やはり地震に対してどこまで大丈夫なのか、大丈夫でない場合は対策にどのくらいの費用がかかるのか、それが見えないと検討しづらい。
今回の白金三光坂ハウスは新耐震だから、震度6強から震度7程度の地震で建物が倒壊・崩壊しない程度、の基準ではあるはずだが、経年劣化で耐震性がどう減衰するのかよく分からない。
阪神大震災で倒壊した建物のほとんどは旧耐震で新耐震はほとんど被害がなかった、とも聞くが、調べてみると阪神大震災でも新耐震で大破したマンションが10棟あったようだし、東日本大震災では新耐震か旧耐震化で被害状況が大きく違うということはなかったもよう。
新耐震でも、築30年以上のマンションなどには住宅性能評価を受ける費用を助成するとか、マンションの性能を見える化していく取り組みをしないと、新築志向の強い日本では中古物件の取引があまり増えないのでは、等と色々考えさせられた。
白金三光坂ハウス 所在地(中央黄色の目印)
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タグ:中古マンション
いつも楽しく拝見させていただいております。m(_ _)m
私も港区が大好きで、(まあ高すぎて庶民の私には手が出せないのですが汗)
このブログを読んでいると、いつか自分も頑張って港区内にマンションを!
という原動力になっております。
気になった物件には足を運んで実際に目で見て触れております。
自分が気になった物件はほぼこのブログで網羅されており、しかも詳しい解説付きなので好きだけど不動産の知識がない私には本当に助かっております。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
そのように仰って頂けると大変嬉しいです。
私も不動産に関して素人で、的外れなことを書くこともあると思いますし、内覧まではしていない物件が多いので、何かお気づきのことなどあればまたコメントをお寄せ頂ければと思います。
今後もよろしくお願いいたします。