虎ノ門ヒルズにレジデンスがあるのは知っていたが、分譲住戸があるとは知らなかった。
調べてみると、どうも森ビル関係者などへの販売だけで、一般分譲はなかったもよう。
売りに出たこと自体は特段驚くことではないが、売り出し価格には本当に驚いた。
39階、北西向きの100.51uで4億8,000万円。
平米単価477.56万円、坪単価1,589万円ということになる。
虎ノ門ヒルズには2,3回しか行ったことがないが、周辺は完全にオフィス街というイメージ。
愛宕神社はなんだか面白い雰囲気だが、あとは慈恵医大病院が近くにあるというぐらいで、他にはこれといった特長のないエリアな印象。
地下鉄日比谷線の新駅や、オリンピック会場と都心をつなぐBRT(バス高速輸送システム)のバスターミナルが作られる計画があるようだが、それ以外どういった開発がされるのかよく分からないし、開発規模で言えば品川-田町間(泉岳寺駅近く)の山手線新駅の方が大規模。
虎ノ門ヒルズ自体も、商業施設としてそこまで魅力的ではないように感じる。
肝心の間取りはどうか。
100.51uとそこまで広くないが、2LDKの間取りなので、LDは22.5帖、主寝室が11.5帖、もう一つの寝室が7.1帖になっている。
角部屋ではない。
全居室が横並びで、間仕切りで仕切られているだけの、タワーマンションでよくある間取り。
トイレは一つで、洗面室の洗面ボウルも一つ。
床暖房については明記されていないが、同じ虎ノ門ヒルズレジデンスの別の売出住戸のページには「LD床暖房」とあることから、LDのみなのかもしれない。
仮にそうだとすれば、グレードはあまり高くなく、港区の新築マンションとしてはごく普通の仕様なのではないかと推測できる。
管理費、修繕積立金はそれぞれ月額62,530円、21,130円と高め。
賃貸に出した場合の賃料がどのくらいか見てみると、同じ間取りの42階住戸が、月額賃料105万円で募集されている。
39階も42階も眺望は大きく違わないだろうから、同じ賃料だと仮定すると、単純な表面利回り(仲介手数料、管理費や各種税金などを含めず、年間賃料を物件価格で割っただけ)でさえ、2.6%にしかならない。
なぜこのマンションが平米単価で477.56万円もするのかさっぱり分からないが、どうも5月には4億7,000万円で売り出されていたのが、6月下旬頃になって4億8,000万円に値上げしている様子。
これは少し特殊なケースなのかもしれないが、他に最近売りに出された住戸を見ても、
・43階、89.04u、3億5,000万円(平米単価393.08万円、坪単価1,299万円)
・45階、88.7u、3億5,000万円(平米単価394.59万円、坪単価1,304万円)
・46階、126.69u、4億6,000万円(平米単価363.09万円、坪単価1200万円)
など、どれもかなり高い。
六本木ヒルズ(のB棟)でさえ、リーマンショック前の2008年前半でもここまでは高くなかった。
もうこれは完全にバブルというか、異常だと思う。
虎ノ門ヒルズレジデンス 所在地(中央赤の目印)
転売されている方は海外の方が多く、成約の前にレインズの登録を一旦抹消し成約事例が残っておりません。理由は不明です。
坪1000万円の南側と坪800万円の北側のどちらも森ビルの開発計画があり、特に南側は200mの高さの建物により眺望と日照が遮られます。
同じ開発業者でこれは如何に、虎ノ門ヒルズは先行性と新駅直結がありますが、先行性による価格の優位性は皆無です。
南側の開発で日照と眺望を享受し、虎ノ門ヒルズの施設利用とデッキで繋がれた新駅利用の方が楽しみです。これに景気で価格が安いと更に良いと思います。
北側で坪800万円だったんですか。
ということは今回のはやはり分譲時よりも相当高い価格なんですね。
しかも今後の開発で眺望・日照も損なわれるとなると、なおさら割高感というか、おかしな価格だと感じますね。
海外の方が多いとなると、ドルベースで見たときには大して分譲時と価格を変えていないのかもしれませんが・・・。
貴重な情報ありがとうございました。